
ひとりごと〜リターンズ〜
不知火
MAIL
|
 |
| 2001年08月01日(水) ■ |
 |
| 「夏の漂泊編」 第1部 ��二人の関西人 |
 |
天気 曇り
もともと俺は8月1日から働くつもりでいた。 8月1日から働くのならば8月1日には既に山に入っていなければならない。 ということは前日には入山しなくてはいけないのではないか。 そんな思い込みから昨日入山したところ、実際には7月31日から働くはめになった。 もっとも早く仕事が覚えられればそれに越したことはない。
それに、昨日俺に仕事を教えてくれた年長のバイト長澤さん(仮名)が、今日から一時下山することや、 今日新たに二人のバイトが上山してくることを考えても、 昨日のうちに長澤さんから色々な仕事を教えてもらえたのはタイミングのよい事だったと思えた。
頂上近くにあるこのの宿舎では、 アルバイトは「本館フロント」「本館厨房」「新館(レストラン)」に振り分けられる。 俺は「とりあえず」厨房に配属された。 後数名のバイトが上山して、それぞれの様子を見ながら正式な配属を決定するようだ。
厨房の仕事は朝夕の客食準備、後片付け。 それに朝、昼、夜の従食(従業員用の食事)の手伝い、後片付。 それから朝食後に客室の清掃とローテーションでトイレ掃除も行なう。。 昨日昼前に来た為、長澤さんが今日の朝食後出発するまでには一通りの仕事を見ることが出来た。
厨房には既に長澤さんの他にも何名かのアルバイトと従業員がいた。 が、長澤さんの担当していた部分は俺がそのまま引き継ぐ形になった。 詳しくはここには書けないが、仕事事体は実はそれ程複雑ではない。 どんな素人を連れてきても1日で覚えられるようなものにはなっている。 ただもちろんどんな仕事も要領よくこなせるようになるには多少の時間はかかる。
俺はそれを今日上山してくる二人のバイトにも教えなくてはいけないのだろうか。 実は少々自信がなかった。 が、まぁなんとかなるだろう。 いつもの感覚で構えていた。
二人の男が昼過ぎに小屋に到着した。 随分と遅い到着だったが、普通はこんなものなのかもしれない。 そいつらは余計な荷物が多くて源三さんにどつかれたという話を小耳に挟んだが・・・ まぁ、そんなことはどうでもいい。 驚いたのはそんなことじゃない。 なんと、そいつらは二人とも俺と同じ大学の一回生だったのだ。
立花君(仮名)と桃城君(仮名)。 うちの大学でテニスサークル所属。 はっきり云ってそこらへんにいくらでもいそうなチャラチャラ系の大学生。 山の中で会うには非常に不釣合い。 俺の中で彼らに対する第一印象は随分と不当に低かったかもしれない。
が、実際に話してみると、 やはりもともと同じ関西人であることも手伝って非常にうちとけやすかった。 さらに、どちらも他の様々なアルバイトの経験を匂わせる要領の良さを持っていた。
こいつら、もしかしたら俺なんかよりよっぽど使える奴らかもしれない。 負けてはいられない。
人は、同じ目的に進む他者、すなわちライバルを意識した時大きく成長し始めるのかもしれない。 立花君と桃城君は俺にとって大学でもここでも一応後輩という位置付けだったが、 俺は彼らを同列に見ることに決めていた。
昨日の源三さんといい、こいつらといい、 この山では面白げな出会いが多い。 明日はどんな人が登ってくるのだろうか。
|
|