
ひとりごと〜リターンズ〜
不知火
MAIL
|
 |
| 2001年08月18日(土) ■ |
 |
| 「夏の漂泊編」 第2部 �B犇�を飼いならせ |
 |
天気 晴れ
退屈な日々が続く。 俺は退屈が苦手だ。 休日だって、夏休みだって何か予定が入っていないと落ち着かない。 何かすべきこと、できることがあるのにやらないのはもったいないと感じる。 が、病院ではそういうものがなにもない。 しいて言うなら「身体を早く治すこと」なのだろうが、 そのためには「退屈に耐えること」が必要になってくる。 しばらくはこいつが苦痛だった。
が、しかし。 よく考えたら昔は俺は退屈しない子供だった。 みんな子供の頃はそうなのかもしれないが、 本もテレビもなくても、空想に思いを馳せるだけで時間を過ごすことが出来た。
大人になると言うことは想像力を失うことなのか? いや、ただ忘れているだけなのだ。
そして俺は、この退屈を飼いならす努力をしてみた。 要するに、日がな一日ボー---っっとしていたのだ。
ぼーっと過ごすのも今日で随分なれて来た。 なれると結構楽なものだ。 「オール読み物」を片っ端から全部読むのも平行して進めていたが、 やはり読み慣れないものを読むのは疲れる。 好きな作家もいればそうでない作家もおり、それも全部読もうとするのだから。
ふと、思い出した。 そういえば今日あたり山田君が下山する日だ。 彼は元気にやっているのだろうか?
いや、きっと元気だろう。 ただ無事に降りられたかどうか、それだけが心配だ。 なんだか数日しか経っていないのに、もう小屋が懐かしい。
なんてことを考えていた時。 ナースからのコールが入る。
「家に電話してください。」 家からナースステーションに電話が入ったらしい。 が、病院の規則として患者に電話を取り次ぐことは出来ないらしい。
しぶしぶとテレホンカードで実家に電話をしてみると、 母親が、 「昨日受け取ってきたあんたの給料病室に置き忘れてないか?」
昨日再び病室に戻ってきた時に預かってきてくれた給料だが、 病院で持っていても仕方がないのでもって帰ってもらうことにした。 が、どうやら持って帰るのを忘れたらしい。
こちらは午前中に既に気付いていたので、病院内のATMを使って既に預けておいた。
なんだか妙に疲れた気持ちでいるとうとうとしてしまった。
目がさめると目の前にお茶が置いてあった。
丁寧な文字で俺の名前とともに 「番茶」 と書かれた小さな紙片とお茶が一つおいてあった。
そういえば今日の昼食からお茶が出るとか出ないとか・・・・。 しかし「番茶」って・・・・。
久々に飲んだ番茶は・・・・やはり番茶の味だった。
|
|