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ひとりごと〜リターンズ〜
不知火
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2001年08月19日(日) ■
「夏の漂泊編」 第2部 �じ�舞いの人たち(1)

天気 晴れ

午前中、退屈に慣れてきた俺はボーっと過ごしていた。
本を読んだり、テレビを眺めたり、廊下を歩く人を眺めたり。
その時も本を読んでいる目をちらっと廊下の方へ向けたところ、
なんだか見覚えのある姿が病室の前を通り過ぎていった。

・・・・山田君?
見舞いに来てくれたのだろうか?
しかし、何故通り過ぎる?
退屈のあまり、都合のよいように見間違えたのだろうか?

程なく、彼は俺の病室に入って来た。
間違いない、山田君だ。
いつものさわやかな笑顔で、目的の場所を発見できた歓びを表現している。
どうやらすぐに俺の病室を発見できなかったらしい。

そして缶詰らしきものを渡してくれる。
まだ点滴が取れず、お茶しか出ていないことを告げると残念そうな顔を見せてくれる。
本当に素直な奴だ。

山田君からは色々な話を聞いた。
俺が下山してからの3日間で、色々と面白いことがあったらしい。
17日夜の飲み会で倒れる人続出。
酒豪で名高い梓ちゃんまでも吐き気止めの点滴をうたれたとか。
他にも宴会芸で脱ぎだす男が続出したとか、
山田君は昨日見舞いにくるつもりだったけど、
2日酔いの為下山が午後になり、こられなかったとか。

あー、山の上は楽しそうだなぁ。
そんな3日間だったらあっという間だったろうに。
俺は病院に来てから既に1週間ぐらい過ごした気分だ。
山田君が帰ったあと、そんな考えが頭をよぎったのだった。

が、いつまでも退屈退屈言っていても仕方がないので、
そろそろ病院内を探検することに決めた。

とりあえず売店に行ってみよう。
思ったより色々なものが売られていて、昔の病院の売店と言うよりは、
小さなコンビにと言う雰囲気を漂わせている。

本の類に目移りするのだが、よく考えたら持ってきた本をまだ読みきっていない。
小浜逸郎著「何故人を殺してはいけないか」。
下界で読もうとして、なかなか読めなくて。
山に持っていけば読めるかと思ったけど、山の上では読む気もしなかった。
せっかくだから病院で読もうと決めていたのだった。

とりあえず本は後回しにして、コップ、はし、箸箱を買ってみた。
箸と箸箱は別売り。
どれもサイズは一緒だったのだが、買ってから箸を箱に入れてみると箸が妙にちっちゃい。
おいおい、どうなってんだ?
ま、いいけど。

因みに食事は2食ごとにレベルアップしていく。
夕食お茶→朝食お茶→昼食流動食 といった具合に。
昨日お茶が出たと言うことは今日には食事が出るはずなのだ。

・・・・ん?
待てよ?
その計算で行くと、今日の夕食は・・・・。
そう、出てきたものは流動食だった。
いつもの通り丁寧な文字で俺の名前と「流動食」と書いた紙片とともに、
なんか食事っぽい器たちが並んでいる。

あけてみると、当然の如く全部液状。
今日のメニューはおもゆ、具のないおすまし、お茶、ホットミルク、トマトジュース、などである。
最も固形に近いものがトマトジュースという不思議な話だった。

結局、箸、出番なし。