2002年09月03日(火) ただの…


私のひょんな一言から大げんかになったのはおとといの夜。
別れ話になりかけたあと、突然彼が言った。
「明日、会いに行っていい?」

つい2時間前まで、私は彼の手を握っていた。
学校をさぼり、親に黙って東京に来てしまった彼の手を。
駅前の噴水のまわりに腰掛けて、
くだらないことたわいのないことを喋っていると、
彼のお母さんから電話がかかってきた。
口をへの字に曲げて、涙を浮かべて、「ごめんなさい」。
彼の顔はまるで叱られた小学生みたいで、
ごめんね、あんな状況なのに、思わずかわいいと思ってしまったんだよ。

当たり前のことだけれど、彼の親にすれば心配でたまらないはずだ。
そんな親心も分かっているつもりだ。
それでも、こうして、制服を着て、駅で待ち合わせて、
平日の放課後にデートできるということを喜んでしまう私を許してください。
恋愛の形が普通の高校生とは違うとしても、
私の心は普通の高校生の女の子のものでしかないのだから。
6限目の授業終了のチャイムをどんなに待ち望んでいたことか。
駅へ向かう道の途中でどんなに胸をふくらませていたことか。
今日だけでいいから、この幸せを許してください。



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