8月、1枚も絵を描かなかった。 どうしてなんだろう。 今、アルバムをめくって、そこに写っている人たちを見たり、 街角や学校のワンシーンが自然と頭に焼きついたり、 こんなにもいろいろな絵が思い浮かんでくるのに。 そうだ、私が描きたいものは、なんでもない日常だったんだ。 なんでもない日常がいちばん幸せで、美しいものだから。 ピアニカを嬉しそうに吹くしまちゃん、 洗濯物を干すお母さん、 公園で休憩している郵便屋さん。 私の大好きな家族や友達や、私の大好きな町のいろんな人々を、 描いてみたいだけなんだ。描いてみよう。 私の目に心にそういうものが美しく幸せに写っているうちに。 私の中でそういうものが過去のものになってしまわないうちに。
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