2002年09月10日(火) おじいちゃん


夕食後、いつものようにパソコンのある応接間に向かった。
応接間の前はおじいちゃんたちの部屋だ。
部屋の明かりをつけると、
その、前の部屋に横たわるおじいちゃんの姿が見えた。
ハッとした。
寝ているのか、倒れているのか、はたまた死んでいるのか。
おじいちゃんの部屋の引き戸のところまで行って
おなかのあたりをよくよく見てみると、
かすかにへこんだりふくらんだりして、息をしているのだと分かった。
ホッとした。
おばあちゃんにタオルケットの場所を聞き、
おじいちゃんに、そっと、かけてあげた。

こんなことで、おじいちゃんの年齢を感じてしまった。
この間まで60代だったおじいちゃんは着実に年をとって、もう73歳だ。
私のように大きな変化がないから分からないだけで、
おじいちゃんも少しづつ変わっているんだ。
おじいちゃんの半そでのシャツから出ていた腕は、
細くて、白くて、血管が目立っていて、
間違いなくおじいさんの腕をしていた。
時間が昼寝時じゃないだけで、
場所が布団の上じゃないだけで、
自然と体を心配してしまうような年になっているんだ。

しばらくして、おじいちゃんはのそのそと起きてきた。
ドン、ドン、という鈍い音は、
おじいちゃんが外付けの階段を降りて行く音。
遅くまで仕事をしている事務の三上さんの様子を見に行ったのだろう。
やさしいおじいちゃん。
おじいちゃんと一緒にいられるのも、
後少しなのかも知れないと思ってしまったんだよ。



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