以前「K氏を斬るっっ♪ in歌舞伎町」(9月30日)のくだりで登場したトキオ(仮名)。 あれから何の音沙汰もなくて、「便りのないのは達者なしらせ」とばかりに私もすっかり安心しきっていた。実際、元気にやっていたのだろう。 それが今朝、テレホが終わるや否やという早朝に携帯が鳴り、ん??と見れば、トキオの名前。ど〜したというのだ? こんな朝っぱらから・・・・。無視するのもあんまりなので、あえて機嫌よく通話ボタンを押す。
「・・・・・もしもし。トキオです。」
もう、今にも消え入りそうな、まさに病人のような声である。イヤ〜な予感はしたものの、ヤツの数百倍ものテンションで対応。
あ 「ん? どうした?」 ト 「え・・・・と。あの・・・・・・アカネ(仮名)と別れました。」
( ̄∇ ̄;) ( ̄∇ ̄;)
クリスマス日本人総ツガイ化傾向に首をかしげる立場の私も、これにはちと同情してしまった。トキオやアカネが、どのようにキリストさんの誕生日をとらえているかということについて私は全く関与していないが、もし24・25日を大切な日と考えてその心の準備をしていたのであれば、この時期失恋してしまったトキオには、本当にどんな慰めの言葉もかけられない。少なくともアカネに同情しないのは、彼女には受け皿がちゃんと用意されているから。これから彼女は別の人と一緒に過ごしていくことになる。
トキオとアカネ、そしてアカネの新しい恋人の3人はとことん話し合ったのだという。 トキオは言う・・・・・・。
「彼・・・・・・とってもいい人なんですよ・・・・・・。」
だけど、自分のところにアカネがいないことがダイレクトに辛い、とそう言っては鼻をすするのだ。
あぁ・・・・・・青春だなぁ♪
そんなふうに思う私は、決して枯れついていないことをあらかじめここに断言しておこう( ̄^ ̄)(爆)
みなさん・・・・・・ 失恋 って経験したことあります? 淡い初恋系から、大恋愛の末に婚約したのが破談になってしまうほどのドロドロ系まで、恋と名のつくおおよそをくくりに入れた場合、まぁ少なくとも私と同じくらいの年齢の方ならば1度くらいはあるのではないでしょうか。 私にも何度かありますから。
・・・・でだ。
その失恋をどうやって乗り切ったかを思い出していただきたい。 ヤケ酒、ヤケ食い、友人への相談、たった独りでのひきこもり、新しい恋・・・・色んな手法があるようだ。そしてそのどれが正しくて、どれが間違っていて、何が健康的で、どうするのが悪いかなんて、誰も線引きなんかできないのである。 だから 「どうすればいいんでしょう・・・・」 とか 「もう、何もかもわからなくなってしまいました・・・・・・」 なんて相談を持ちかけてこられると、こちらは大変困ってしまうのである。 しかし、女の子相手だと全然ラクなのである。 社会の波にもまれた女は近年、大変強くなられたようで、失恋くらいじゃちっともへこたれないのである。ワンワン泣いて騒ぐ子というのは中でも扱いが一番ラクで、こちらが大して何も言わずに、その吠えにつきあってやれば、1週間もしないうちに全くフツーに生活復帰できる。 地味に感情を処理する女の子たちも、前述の女の子なんかよりは多少時間がかかるものの、何だかんだいってケロッとして次の恋を探し始めるのにそう時間をかけない。 まぁ、個人差はあるけれど、私の周囲にいる強くたくましい女たちは、一様に強くたくましく生きているようだ。
これが男の子相手となると、多分に厄介なのである。 自分からフってしまった場合はいくらかましなようではあるものの、同じように自分からフってしまった女の子たちに比べると、感情的にやさしいというか、良心の呵責に苛まれて、しばし塞ぐ傾向があるらしい。 フラれた場合は 最悪 である。 女の友達よりも男友達の多かった私は、学生時代から多くの男たちの失恋に対峙し、電話で話を聞いたり、酒につきあったりしてきたが、空気の重さは女友達のそれの比ではない。 しまいには私も、飛ばしたくもない檄を飛ばし、確立させたくなかったキャラを確立させてしまうメにも遭い、何もオイシイところがないままに彼らを元気づけるという位置付けだけが待っている・・・・・( ̄∇ ̄;) そういう男たちを パクリ♪♪ とやってしまうこともできただろうが、私はそういうのは趣味じゃない。猟に出るときはもっと精神的にノってる男をターゲットにしないと、病気持ちの私は浸食される惧れがあるからだ。 かくして彼らとは、揺るぎない 友情(のようなもの)が成立し、例え何かのマチガイで寝るようなことはあっても、それを踏み台に恋に落ちることはまずないのである(爆)。男の子たちも、強烈な檄を飛ばされた後では、その相手を恋人にするのに躊躇する材料が多すぎるのだろう(苦笑)。
私は、トキオには予てから恋愛だけにとどまらず、ずっと檄を飛ばしつづけてきた。思春期の時期に「いい大人」に巡りあえずに、人間不信に陥っていた彼も、環境の変化に伴い「大人」というものに対する理解も柔軟になり、初対面の頃はあんなに刺々しく攻撃的だったというのに、次第にカドもとれ、明るく笑うようになり、集団の中に自分を位置付ける意味というのも自ずと覚えたらしい。 そんな中で初めて「恋人」という存在を自分の中にも見つけ、さぁ、これから!! ・・・・・こういう状況だったのだ。クリスマスなのに・・・・・という事情は、実は2の次、3の次。 今トキオが独りになってしまうのは、本当はもっと大きくて難しい問題を孕んでいるのだ。 彼が自暴自棄になり、行ってはいけない方向へ暴走するのが一番恐ろしいのだ。聞けば、彼の兄が部屋に残していった薬(多分、安定剤とかそういった類のもの)を、ここ2日くらいのうちに全部飲みきってしまったというではないか・・・・。
ヤバい・・・・・・本格的にヤバイかも・・・・・・。 (眠剤だったら死んでるぞっっ!! オイ!! みたいな( ̄∇ ̄;) )
私は、すでにボンヤリしてぼそぼそとしか言葉を発しないトキオに対し、また檄を飛ばす。そして約束させる。
「自分に処方された以外の薬は絶対に飲むなっっ!!!」
トキオは小さな声だったが、それでも誠実さだけは忘れない感じを漂わせながら返事をしていた。今まで築いた関係が少しでも役に立てばいいと思う。今まで、噛んで含ますが如く飛ばしてきた檄のおかげで、こちらがまっとうなことを言っている限り、彼は絶対に私に逆らわなくなっていたのだった(苦爆笑)。
私が 「みんな、1度くらいは失恋してるわ。」 と言うと、彼は感心したように深くため息をつき、 「みんな、すごいんですね・・・・・・こんなに辛いのに・・・・・」 と言った。
来月でトキオはやっと20歳になる。 恋をしないで起伏なき精神のままでいるよりも、痛くても辛くても1度はちゃんと恋を経験し、それを糧にできたほうがいい。
老婆心ながら、これからいい男になってほしいよ、と願う、来年27歳のおねえたまなのでありました( ̄∇ ̄;)
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