2001年10月15日(月)
闘え! 起動戦士アサミンジャー 「解明」の巻 〜Dr.オーアエの秘めたる野望〜
 毎度。
 本日、忘れた頃にやってくる、オーアエ決戦の日でございます。

 前回、「美人だ」と言わせたことに気を良くし、
 今日は珍しく早起きした。
 朝食・昼食ときちんと摂り、オマケに化粧までして
 気合いはバリバリ。
 前回、約束したので、あたしの作品が掲載されている「雑」を袋に突っ込んで
 お天気も良いので、1人自転車で病院に乗り込んだ。

 早起きしたのは、
 言うまでもなく昨晩飲んだ薬をきれいに躰の外に追い出す為である。
 決して、オーアエに会うのが楽しみで楽しみで仕方がない
 ・・・・というわけではない(笑)。


 予約を入れているのに、待たされるのは毎度のこと。
 今日もちゃんと予約の時間の5分前には、受付で顔を見せているのに
 結局20分くらい待たされた。
 あたしの後にもまだ何人もいるのになぁ・・・・
 オーアエってば、他の人の時も、
 あたしの時みたいにバカみたいな話をしているのかしら?
 余計な心配までしてしまう。


 いざ、戦闘開始。
 オーアエはチラリとあたしの顔を見るなり、こうのたまった。






「どう?? 悪女になれたか??」









 随分なご挨拶である( ̄∇ ̄;)
 日々、沢山の患者を診ているだろう彼・・・・まさか、前回出した宿題まで
 あたしのカルテに書いてるんじゃないだろうな・・・・と疑いたくなるような
 正確な射程距離からの攻撃に、あたしは虚を突かれた(爆)。







 むむむ。
 なかなかやるではないか・・・・。








「まだです( ̄^ ̄) そんな一朝一夕になれたら苦労はしません。」

「それもそうだな。あはははは。」




 「あはははは」
 じゃねえよ・・・・(-。-) ボソッ
 と、心の中で呟きつつ、前回の診察から今日までの様子を報告する。

 薬を半量に減らしてみていること、
 東京に1泊3日の強行日程で奇襲を仕掛けたこと、
 未だ、微熱はぼちぼちながら続いているということ、
 映画や芝居を観にいっているということ、
 今日は自転車で来たのだということ、エトセトラエトセトラ。


 それで今日は、ちょいと真面目なところへ話が飛んだ。




「あなた、ジェットコースターとかは乗れますか? 平気ですか?」








 お・・・・?
 思い起こせば、ジェットコースターがあるようなところへ行ったのは
 20歳を過ぎてからは1度か2度程度。
 ひょっとしたら行ってないかも??
 二子玉のナムコって確か、ジェットコースターみたいなのはなかったような・・・・
 とにかく遊園地に行った思い出といえば、大学3〜4年の時に
 後輩に誘われて、それで行ったのが最後のような。
 ということは、既に5年以上前のことになる。
 それでなくても、あんまりそういう処には行きたがらないよなぁ、あたし。
 小さい頃から、どこかへ遊びに連れて行ってもらうにしても
 遊園地という選択肢からは、何故か逃れてきたような気もする。
 別に嫌いというわけではなかったが、
 遊園地ではしゃぐという行為そのものに面白味みたいなものをあまり感じない
 つまらない子供だったのだ、あたしは(笑)。

 その旨を伝えると、オーアエは、発作が起きる原動力となる、
 心因的な「遊び」について話して聞かせてくれた。
 過換気を伴なう予期不安・不安からくるパニックは
 ブランコやジェットコースターなどを楽しむ「揺り遊び」に似ているそうだ。
 イマジナリー・コンパニオンがいる子供は「想像遊び」つまり
 「ごっこ遊び」というのが得意ということになり、
 そういったところで発散をしているから、他の心因的要素は不必要となる。
 芝居も「ごっこ遊び」につながる。
 昔、大学の講義でそんな話を聞かせてくれた教授がいた。

 
 そこまで話すとオーアエは唸るのである。
 あたしには、きちんとイマジナリー・コンパニオンがいる上、
 芝居をするという物理的方法をとることもできる。
 つまるところ心の「ごっこ遊び」をちゃんと堪能できているはずなのだから
 不安・パニックという心因的要素が出てくるのは謎なのだそうだ。



 そんなの知るかよ(-。-) ボソッ
 実際、出てるんだし、あんたもそう診断しただろうが・・・・?>オーアエ



 で、モノはついでなので、
 今日こそはと、自分の病名について改めて問いただしてみた。



 すると・・・・・。
 ヤツはツワモノです。
 満面の笑みを浮かべ、ニッコニコしながら、
 付箋紙に箇条書きをし始めました(爆)。





「そんなの、いっくらでもつけられるよ〜ん♪」

「いくらでもって・・・・(あんまり欲しくない。ただ知りたいだけ)」





 付箋紙に書かれた病名は次の通りである。

「広場恐怖」(agoraphobia)
 アゴラフォビア・・・日本語にすると何だかB級ホラー映画のタイトルみたい(爆)

「過換気症候群」(hyper ventilation synd.)
 有名だけど、「ハイパー・ベンチレイション・シンドローム」って言うのは知らなかった(爆)

「解離性障害の特定不能型」
 ・・・・・・。



 3つ目の病名を書くところで、あちゃらの言葉で書いてある医学書を見せられた。
 精神医学界では世界で一番売れている診断基準書らしい。
 全部英語なので、その凡そしか読み取れなかったが
 「解離性同一性障害」いわゆる、「多重人格」の症例というのは
 3つの大きな症状があるらしく、
 あたしの場合は、2つ目までは当てはまるのだけれど
 3つ目の「健忘」という部分が当てはまらないので
 しっかり、「それ」と診断されない。
 しかし、その章には但し書きみたいなのが最後についていて
 「特定不能型」として2つ以下の該当者もそう診断されてしまう場合があると、
 ご丁寧に記されている。
 「広場恐怖」にしたって、
 あたしはずっと、劇場のような閉塞空間にいる方が大好きだったクチだ。
 おかしいよ??と言ったら、
 英訳された時にうまくニュアンスが捉えられなかっただけで、
 実際に「広場恐怖」というのは・・・・と説明してくれた。<オーアエ大先生が。
 


 オーアエはその診断基準書をさして、「世界で一番売れてるけど・・・・」と
 前置きした後、こうのたまう。













「こんなものがあるから、余計にややこしくなるんだよなぁ。
まぁ、こんなペテン師の書いた本なんかアテにはしてないけどね♪」


「いつか、オレ(様)がちゃんとしたのを書くよ。あはははは。死ぬまでにね♪」





 あぁ。
 期待してないけど、書いてくれよ・・・・絶対に。


 そういった意味をこめて眼光を強めると



「あなたはその前に、芥川賞でも・・・・♪」







 あ〜ぁ。お見通しなんだな。この人には。(トホホ)
 人に、書け!書け!という前に、自分でお書きよ・・・と言いたげなのは
 この言葉に集約されている。とんでもない皮肉である(笑)。




 そんな皮肉を跳ね除けるために、袋に詰めてきた「雑」を差し出し



「謹呈いたします!!」




 と、強めに言ってやった。
 あぁ♪読むよ、読むよ♪ 面白そう♪ え?? くれるの?? ありがとう♪


 きっとこの人は、読むだろう。
 そして、また何か面白い診断を下してくれるに違いない。






 さて。
 本日のヒット発言だが・・・・・。



 あたしが、薬を勝手に減らして眠れないと顔が土色になります・・・・と言ったら
 ヤツめ・・・・







「今度、それ、写真に撮っといて♪」



















 ・・・・・。
 アホか、ボケっっ。
 いっぺん三途の川を渡ってから、次の診断をしてくれ。



 そう言いたいのをぐっと堪え・・・・微笑むあたしは凄く偉いと思う。


 そんな今日、オーアエがあたしに出した宿題。





















長島スパーランドにある
ホワイトサイクロンに乗ってくること




























 その金をあんたが出してくれるんなら、10回でも20回でも乗ってやるさ。
 それを不敵な笑みにかえて、あたしは診察室を後にした。








 アホらしい宿題のこと、しょっぱなに受けた先制攻撃、芥川賞、
 難しい医学書に圧され、本日は
 「雑」をもっていったこと、診断名を提出させたこと、
 死ぬまでに書くといった医学書についてで差し引いても、



















惨敗






















 「ホワイトサイクロン」というのは、東海地方在住の人なら
 誰でも知っている、有名なジェットコースターです。
 手作り感があるので、速さよりも何よりも
 いつ壊れるか知れないという、別な怖さがあることでも有名です。
 
 そんな命がけの宿題は、後回しじゃ。
 負けても減らず口だけは叩くアサミンジャーなのでありました。



 次回は、今月30日。
 絶対に負けてたまるか。


あさみ


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あなたの毎日にずぅむいん・・・・

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