2005年09月26日(月)
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音はいいのにな(爆) |
そんなこんなで、また本日は別のCDをかけてたりしますが。 昨日分の「Gift for Funks」についての反応が、既に届いておりまして(爆)、 おぅ♪ 何もあたくしの耳だけが、特別仕様の空耳というわけではないということも判明し、 ホッと胸を撫で下ろしているところです。
思春期ちょい前くらいから、特に楽器や歌を習っていたわけではないのに、 自分の耳に心地好い音と、そうでないものをきちんと判別することだけには小煩かったあたくし。 「窓際のトットちゃん」ではないけれど、気持ちいいか否かで音を分けていくという、 「生理的な好み」は多分、生まれ持ってのものだろう。 だから、自分の聞いた音が例えば「ラ」だとわかっても、楽譜を上手におこすことができない。 もっと、本格的に音楽をやっておけばよかったな。学校だけじゃ足らなすぎた。
そんなわけで、本日は大黒摩季です。えぇ。あの不幸の塊、大黒摩季(爆)。 あたくし、この人のサウンドは嫌いでなく、寧ろ大好きなんだけれど、 詞には傾倒しないようにしよう!!と、既に学生時代の時に悟りを開いたわけで(笑)。 この人みたいになったらアカン・・・・この人みたいな生き方を巧いこと避けて避けてやっていけば、 恐らく十人並みの幸せくらいは手に入れられるだろうから・・・・そんなことを思いながら、 大学時代くらいかなぁ・・・・毎日のように聴いてましたが(爆)。 あんなドロドロした歌詞を、ここまで爽やかに、かつ歯切れよく、アップテンポ、メジャーコードで 歌い上げられたら、誤魔化されますけど、フツーは( ̄∇ ̄;) 今、丁度流しているのは、不朽の名作とも云われたベストアルバム「BACK BEATs #1」です。 あまりに有名すぎるので、多くは語りませんが、ここまで大黒ワールドを凝縮したアルバムだったか? と、改めて閉口してます(爆)。 ぷよ2と2人して、「結婚式では絶対に何があっても流してはいけない曲ばかりを歌うアーティスト」 として不動の位置につけてます( ̄∇ ̄;)
いや、昨年の丁度今頃、さてさて本格的に披露宴の時に流す曲を選んでピックアップせねばなぁ・・・・と 互いに好きなアーティスト、今まで聴いてきてコレは良かったなぁと思える曲で、 かぶってるものはないかと必死に探したところ、先日のTM、ドリカム、あとはglobe、 そして、大黒摩季となったのである。 前者3つに関しては、結婚式に流しても雰囲気があってそれっぽいラブソングもあるし、 たまに友人代表たちがカラオケで歌ったりするくらいにラッヴラヴなヤツもあったりするけれど、 大黒摩季は・・・・( ̄∇ ̄;) 片っ端からアルバム曲まで調べたんですわ。持ってるヤツ全部をひっくり返して。 学生の時には物凄くよく聴いてたし、カラオケでもよく歌った。 その場が盛り上がるし、男の人たちのウケも良かったし。 その証拠に、あたくしと同じCDをぷよ2も持ってたりしたし。 そうやって、女性に限らず男性にもきちんと認知されているにもかかわらず、 彼女の楽曲というのは、殊、結婚式には体裁が悪すぎて出せないような、 物凄いキーワードが絶対1つは含まれているものばっかりだったのだ。
例えば、超有名なところで、「ら・ら・ら」。知らない人はいないと思う。 サビが簡単だし、コード進行もメジャーに始まりメジャーに終わる。 意外とや、直撃世代だけではなく、当時の40〜50代のオジサンたちにもウケがいいという、 とても珍しい楽曲ではあった。 やっぱアレね。ドラマとのタイアップで、ドラマの心象もいいとテーマ曲の心象も良くなる、 相乗効果ってヤツかしらね?
明るい印象だと感じる人も多いだろうが、この曲、とっても重たいんです、実は(笑)。 曲のブリッジのところで、こんな歌詞が流れる。
「時が経つのはなぜこんなにも早いのだろう あっという間にもう こんな年だし 親もトシだし あなたしかいないし ねぇ?」
活字にすると寒気すら催す、一番重いパターンの逆プロポーズ(爆)。 これが結婚式で流れたとしたら、親類縁者全員がヒクよな・・・・。 こんな調子で、大黒摩季の曲をアレもダメだ、コレもダメだ・・・・とやっていたら、あっという間に全滅した。
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サウンドは細やかに作りこんであって、彼女のデビュー当時、その緻密なサウンドに加え、 彼女が他メディアに一切正体を明かさずに音楽活動をやっているものだから、 「大黒摩季」というのはレコード会社が、新たな戦略として仕組んだヴァーチャルではないのか!? という噂さえ飛び交ったくらいだ。 アルバムのジャケットにきちんと顔を出していても、中性的なその面持ちから、 本当の人間として受け容れてもらえなかったくらいだったから。 ・・・・のわりに、歌詞が物凄くドロドロしていて、等身大の「20代女性」っぽい(当時)のが 爆発的にウケた1つの理由だろう。生々しすぎたのだ。
で、だ。 独身の頃はそんなに気にならなかったのに、いざ自分が結婚する段になって改めて聴いてみると、 その生々しさが畏怖にすらなりえて、おぉ・・・・モノの見事にこりゃ結婚式では使えんわ( ̄∇ ̄;) いくら新郎新婦双方が、昔から傾倒して聴いていた楽曲たちとはいえ、TPOを考えたら 明らかに却下にすべき楽曲たちなのである。 しかも、どれひとつ採用できないとは、そこまで徹底していたとは・・・・大黒摩季、貴女は天才だよ。
ドリカムにももんすごくドロドロしたヤツは何曲もあるけれど、「少女卒業」的な可愛らしいのもあるので 思想が凝り固まっているというのとはちょっと違う(苦笑)。 vocalの美和ちゃんも歌い手として、そしてパフォーマー、アーティストとして やっぱり天才の領域だとは思うけれど、大黒摩季とは完全にベクトルが違う。 いや、大黒摩季のベクトルが極端すぎるんだけど(笑)。
彼女(大黒)が刻んでいる、ほぼシンセサイザーだけを駆使して作られたと思われる、初期の頃の楽曲は とても小気味良く、ユーロをこよなく愛するあたくしの脳を刺激してやまない。 そらそうだわなぁ・・・・自らの声すら加工して、打ち込んでたとかいう噂さえあったんだから。 いや、基本のヴォーカルラインは彼女がきちんとレコーディングしてるんだけど、 彼女の声にこの頃、ピッタリとマッチするコーラスがいなかったのだろう。 何もかもを弾き飛ばしてしまうくらいにパワフルすぎた彼女の声に合うコーラスは、彼女の声以外にない。 これが、無双の強さを誇った所以なのかもしれない。 吉田嬢が後に、最強のコーラスを見つけてくるのと大体同時期に、彼女は自分とは別の人間を バックに置くようになった・・・・そんなふうに記憶している。前後の誤差はあったが。
この日。 あたくしは、懐かしい大黒摩季の楽曲を堪能しながら、特にベースの音を追っていた。 よくやるんだ。 どのアーティストでもそうなんだけど、ギターやヴォーカルは目立つから除外して、 その他にどんな音が刻まれているかっていうのを、完全に頭の中で分離して、 その音だけをひたすらに追っかける。ユーロでコレをやろうとするととてつもなく脳が緊張して、 3曲と持たない(苦笑)。 大黒摩季もコレに似ていて、ベースの音だけを追っていると、3曲と持たない(爆)。 その代わり、普通の生オケで演奏されるのを完全に超越した、面白い旋律をたまに拾うことができる。 織田哲郎と組むようになった後の楽曲だと、あんまり面白くないんだけど、 彼女が完全に1人で作っていた頃の曲の中に、たまにこういう面白い曲が紛れている。 絶対ホーンセクションなんか組めない状況だろうっ!? という時代の曲にホーンセクションがあったり 完全にデジタルのパーカス音が重なってたりと、人間の脳を超越するサウンドを織りなしてくれる。 そういう無機質で無茶なサウンドがあたくしは結構好きだったりするんだけど、 コレに、物凄い突き抜けた肉声がつくから、「いいな♪」と思ったのかもしれない。 要するに、先頃書いた小室氏と同じような脳のつくりをしているのかも。 まぁ、彼女は自分がヴォーカリストでもあるわけだから、自分の声と相性の良い旋律をきちんと知っている そういったタイプでの「天才」なのかもしれない。 デジタル音に突き抜けるような肉声、コレだけだとまだ味気ないところを、 彼女は恐らく、実体験に基づく生々しい詞をつけた。
だから、個人的には「夏がくる」とかを聴くと、その当時から異様に笑えた。 これ以上に生々しい曲は恐らくないだろうな。などと思う。 氏曰く、
「いや、普通のお嬢さんだったよ。本当に極フツーの。」
らしいんだけど、その「極フツー」の感覚で詞を書くと、あぁも素直な言葉になるということを まさにその時代に思い知った。 あと数年後、きっと自分も同じ事を思うのだろう、同じような環境におかれるのだろう、 そんなことを思っていた20代初頭。自分の思ったとおり、年齢を重ねるごとに、彼女の言いたいことが まるで体に浸透するかのようにフツーの感覚になってきて、おぞましくも何とも感じず、 それがあたかも当たり前のことのように感じていた。
そして、伴侶を見つけた今、夫婦揃って彼女の楽曲を聴くと、また別なインパクトを感じ、 常々この人は「新しい人なんだなぁ」と思わせてくれる、とっても稀少な人物のようだ。 いやぁ・・・・今、まさにこの環境で、「大黒摩季の曲が異様に沁みるわぁ・・・・」なんて云った日にゃ 天罰が下されるような気すらするし(笑)。(でも、やっぱりサウンドは好きだわ。) 期間限定、環境限定、超作為的なくせに万人に受け容れられる、女性たちにとっては例えば、 魔法使いにハマる時期のように、彼女にハマる時期というのがひょっとしたら存在するのかもしれない。 あの楽曲たちについた詞が、極々フツーのラブソング風だったとしたら、 恐らく、彼女の財は、今のおよそ1/5くらいだったんじゃなかろうかと思う(笑)。 ウェディング業界を敵に回す、彼女の脅威の歌唱力に、今一度拍手をば・・・・。
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