2006年03月14日(火)
誰だってやりたくてやるわけでなく


日曜日に出かけた折。
立体駐車場の中で、昭和の名残のような(苦笑)光景を久し振りに見た。


力の限り号泣している女児(推定3歳くらい)、そしてそれを怒鳴りながら引き摺る( ̄∇ ̄;)母親。


昔は・・・・そうはいっても、あたくしがせいぜい小学校を卒業する頃くらいまでかしら・・・・?
まぁ、「最後の昭和」くらいの時期ですが。
このような光景は、よく近所のスーパーなんかで垣間見られた。
あんまり凝視しない程度に様子を探ってみると、「お菓子を買うか買わないか」程度の
めちゃくちゃ些細な行き違いを、本気でバトルしているのが特徴だったりする(笑)。
もんすごい勢いでぎゃーぎゃーと絶叫泣きしているお子様と、負けない勢いでそれを叱りつける母親なんて
どこにでもいたような気がする。
そして、公衆の面前でコレだけ騒いでいても、いつかは彼らもその場所から去っていくわけで、
去る頃には、子供の方もちゃんと母親にべったりとくっついていたりするので、
周囲だってそれほど心配しなかったものだ。・・・・たとえ騒ぎのコアが赤の他人でも。
昨今の少子化問題&出産子育て事情に対する社会の無関心が、だんだん環境を変えたのか、
最近、この烈火のようなお子様&母親のセットはなかなかお目にかかれない。
そんな矢先に、ホントにお手本のような「烈火コンビ」に遭遇してしまったので、
不謹慎ながら、少々興味深かった。


ぷよ2は反射的にこういう光景を見ると顔をしかめる。


「何もあんなふうにしなくてもいいのに・・・・。」

「あら・・・・。それは少々短絡的すぎるよ?
あんな小さい子が、この真っ暗な立体駐車場のど真ん中で蹲ったまま駄々をこねててごらんよ?
次々来る車に確実にひかれるよ。
無理矢理にでも引っ張ってこないと、あの子、死ぬよ。」


「でも、あんなに酷くやらなくても。」

「(笑)あの子の扱いを一番よくわかっているのは、きっとあのお母さんでしょう?
誰だって穏便に済ませたいけど、子供がそうはさせてくれないんだよ。」


「・・・・・・・・。」

「いくら厳しく言ったところで、あのサイズはきっとすごく大変だろうね・・・・。
機嫌がよければ言う事も聞くだろうけれど、基本、へそを曲げたらああなるのが健康的ともいえる(笑)」



マスコミの言うことを全て鵜呑みにするつもりは毛頭ないけれど、
最近の凄惨な報道の数々を見ていると、子供が何も訴えず、だんまりを決め込み始めたら、
事態は本当に逼迫していて、何が真実かわからなくなっているという
恐ろしいことになっているんだなぁ・・・・とそのたびに思い知らされる。
なので、子供がぎゃーぎゃーと泣き喚き、自分の主張をしているうちは、
事実が隠蔽されずに、外へ外へと色々なことがアピールされている証拠とも捉えられるので、
それが安心のバロメーターのような気がする。
この日見た光景も、ただこのお家の中だけで何度も何度も繰り返されていて、
それが親にとっても子にとっても、不幸レベルに日常になってしまっていたら問題だけど、
親が子供に「主張するのを許している」レベルというのは、まだまだ非常に健康的だと思うのだ。

無論、公衆の面前で自分の子供が騒ぎ出してしまうことに対して、あまり放任すぎるのもどうかと思うけど
世間体だけを気にするあまりに、まるで子供の口を窒息せんばかりに塞ぐようにして
子供の主張の否も応もなく、担ぐようにして逃げ出す親の方があたくしは危険だと思う。
怒ったり叱ったりする自分を、どっかで「醜い」「悪い」と思っているんだろう。
そして、自分でそういうふうに思う親も増えているのに対して、
多様化した育児方法をかいくぐった世代の中には、怒ったり叱ったりする親を
いかにも迷惑な人だ、ともすれば犯罪者でも見るような目つきを投げる人というのが増えている気がする。


あのねぇ・・・・。


あたくしは言いたい。
大体、小学校に上がるまでに、そこそこのルールやマナーは教えなきゃいけない。
そりゃ、優しく諭すだけで聞くような子達ばかりだったら、それはそれでいいだろう。
だけど、子供側だって、そればっかりできちんと聞き分けるタイプばかりとは限らないのだ。
素直に返事だけはするけれど、その実ちっとも聞いてなかったりだとか、
むっつりしたままこっちの言うことを聞いているのかいないのかわからないけれど、しっかりしてる子、
見たまんまのいい子や、見たまんまのやんちゃくれ・・・・色んなのがいる。
で、その色んなのに1つの方法論で対峙できる道理がないのだ(苦笑)。
優しく諭して済むんなら、誰だってそうしたい。
でも、そうもいかないことが本当に沢山あるのだ。
親たちは色々な方法を試し、本当はやりたくないようなこともたまには強いられる。
怒鳴ったり叩いたりというのだって、やらなくていいのならやらずに済ますだろう。
徹底的に叱るというのは、やんちゃを言う子供と同じくらいにパワーを使うから、大人だって大変なのだ。


だからあたくしは、わりと公衆の面前でもきちんと大きな声で叱り飛ばしている人を見ると、
最近の閉鎖的な育児よりも健康的な感じがして、
そりゃ、音声的にも画像的にも心地いいものではないけれど、きちんと認めてあげたい気持ちになる。
社会の前で、きちんと親としての正義を子供に見せられる人というのは
たとえ瞬間的に醜悪でも、長い目で見るとやっぱり美しいのだ。偉いな・・・・と思う。


あの「烈火コンビ」(笑)は、ここしばらく見なかった古いタイプの親子かもしれない。
力の限り号泣して、その場に踏ん張って留まろうとする子供と、
ちっとも容赦せずに、やはり力いっぱい・・・・それでも片手一本でその子をずりずり引き摺っていく母親。
あたくしは顔をしかめるのすら忘れたよ(笑)。
あんまりにもあのお母さんが逞しくて(爆)。
あたくし自身、どっちと年が近いかというと、言うまでもなく母親の方なんだろうけれど、
まぁ、子供の気持ちもわかんなくもないんだよなぁ。
このショッピングモールは、それこそ大人でもあちこちから誘惑の手が伸びてきて、興味深いし、
何時間でも時間がつぶせそうで、けっこう刺激的で楽しい。
大人と子供の興味の対象は違うだろうけれど、あの年頃の子供が夢中になってしまうようなエリアも
ガッツリと完備されていて、いくら大人がそこをスルーしようと思っても
「うわぁ〜♪」となってしまうだろうな・・・・なんてのは容易に想像がつくし(笑)。
ただ、そんな子供の興味の向きだけに従順に付き合っていたら、時間はどれだけあっても足りない。
そこそこに切り上げなければならない。
大人の都合と子供の欲求のすれ違いは、いつどこでも起こり得るものだけれど、
その時々によって、何を優先させるかというのはそれぞれのケースによる。
同じ親子でも、この日は「炎のバトル」となったけれど、別の日ならば親がもっと寛容だったかもしれないし
子供がもっと聞き分けよかったかもしれない。


・・・・なぁんていうふうに、瞬時に即座に冷静なことを考えられるのは、
やっぱり自分の育った環境だとか、子供が好きだとか嫌いだとかそういうパーソナリティもあると思うけど
往々にして、子供ができるまでは他人に押し付けるべき価値観じゃなかったりするんだよね(笑)。
あたくしは、好き嫌いに関わらず、やっぱりいつの時代でも育児で苦労している人っつうのを
紛いナリにも見てきちゃったわけだから、見てきたなりに、自分の中で咀嚼して
せいぜい、「自分なりの方法」を精一杯駆使している親御さんに対して、
顔をしかめる・・・・なんてことだけは絶対にしちゃだめだよなぁ・・・・と心がけている。
そりゃ、世の中には基本的にどうしようもない人というのもいて、
短絡的に、子供に対して暴力を振るったり、大人の道理だけで物事を進めたがったりする人もいるけれど
実際に望んで子供をもった人たちは、そこまで直情的ではない。
けっこう色々モノを考えているし、どうすればいいかアレコレと試行錯誤をしていて、
うちらがちらりと覗ける部分というのは、もう色んな方法を試したあとに残ったものだったりする。
皆、最初は高い理想を掲げていて、怒鳴ったり叩いたりなんてしたいわけじゃない。
ましてや公衆の面前で、わが子を引き摺るような真似をしたいわけでもないだろう。
でも、そうせざるを得なくなる瞬間っていうのがきちゃったりするもんなんだなぁ・・・・。


出先でこういう光景を見かけた時に、オノレの精神力というのが試されている気がする。
いきなりここまで想像力を逞しくすることなんてできないだろうけれど、
例えば「自分だったらこんなことはしないのに・・・・」というように
上からモノを言うような考え方にすぐ置換するんじゃなくて、
せめて「どうしてこの人は、こういうことをしちゃうんだろうな?」くらいのレベルで
世の親子を見られる環境になると、きっと、見てる方も見られてる方も生きやすいだろうなと思う。


ちなみに、ぷよ2は、駄々をこねる子供の気持ちすらもわからないと言っていた( ̄∇ ̄;)
自分がそういう道を通ってこなかったからだという。
・・・・ある意味で納得( ̄∇ ̄;)
つか、与えられすぎたことで、そんな気持ちもわからないまま大人になっただなんてなぁ(苦笑)。
ちょっと問題あるかもしれん(爆)。
あたくしなんか、小学校に上がる前までに何度ぶたれたかわかりゃしねぇ(笑)。
ある時は弟との攻防戦を制され、ある時は素直じゃない素行を制され・・・・数え切れねぇ( ̄∇ ̄;)
父親も母親も祖母も、同居している大人たちは皆それなりに厳しかった記憶がある。

↑子供なんて叱られて何ぼかもよ♪

よく考えたら、誰か一人でも味方になってくれたらよかったのに、
同居する大人3人が結託して、叱られている間は一切逃げ場がなかっただなんて、
それはそれでどうなの・・・・??と思うようなことが沢山あったなぁ(笑)。
凄まじき幼少時代だったことを、今更ながらに思い知らされる・・・・(ー’`ー;)

そして、思うのは、そういう育ちをする中、同居する大人の中で
一番「飴と鞭」の使い方が上手だったのは、やっぱり母親のサヨコだったことを鮮明に思い出すのである。

あさみ


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