2006年03月19日(日)
「記憶の場所」と少し違うけれど


今住んでいるところは、アパート・・・・というか、集合住宅・・・・というか、わりと敷地も広めで、
まったりとスペースが取ってある中に計4棟、全て2階建ての建物のみで構成されている。
なので「アパート」という説明をして、実際ここを訪れてくれた友人らは一様に、
「あれ?」というような顔をして

「アパート・・・・って感じじゃないじゃん(笑)。こういうのって何ていうんだろうね?」

などというようなコメントを残していく。
で、何もわが家だけではなく、最近、ここら一帯にこのような建物を手始めに
本当に新しい建物が急激に増え始めていて、あっという間に風景が変わっていく気がする。
そしてそれは決して「気のせい」なのではなく、実際に目まぐるしい変化を来しているのが事実なのである。


実は。
実家から少々離れてはいるものの、まだここらはあたくしが通っていた中学のギリギリ学区内で、
あたくしが元々住んでいた実家が学区の西の端っこだとすると、
ここらは東の端っこというような感じになる。
もう少し厳密にいうと、西の端っこであったわが家から中学までは
まったり歩いて、せいぜい10分ちょっとで十分に通えたのだけど、
ここらから同じ中学に通うには、体力盛りの15歳の少年たちとかの足でも
必死に歩いて40分・・・・限界ギリギリ自転車通学が認められない距離なのであった。
そういえば、当時からここら一帯に住んでいる子たちは、
男の子だろうが女の子だろうが、1年生だろうが3年生だろうが、必死に歩いて通学してたっけ。
中には「う〜ん・・・・小走りでも30分くらいはかかるかも。」なんて言ってた女の子もいて、
走れば5分で学校に到着していたあたくしにしてみれば、正に「ひぇ〜っ!!」なのであった。

そろそろ春休みにさしかかろうとしている上、ここらに家が増えてきたとはいえ、
基本的には子供の数が減ってきているので、
なかなか中学生たちが近所を歩いているところを見かけることがなくなったわけだけれど、
それでもたまに、母校の制服を着た子たちを目にすることがある。
スーパーに散歩がてら買い物に出かけた折なんかに。
そして現場から学校まで、う〜ん、随分あるだろうになぁ・・・・なんてことを思うと、
未だに自転車通学が許されていない彼らが、急に大変な思いをしているようにも思えてきて、
必死に通学しているだけでいじらしく感じてしまう(苦笑)。


うちらが在学していたのはもうかれこれ、15〜20年くらい前になる。
その頃は、まだこのあたり一帯は田んぼだらけで、道路もきちんと整備されていなかった(笑)。
そりゃ、絵に書いたような田舎で(爆)、1つ路地を入っていくと、古い長屋みたいなのも残っていた。
同じ市内なのに、大きな道路を挟んだ向こうとこっちとでは、
道路事情も住宅事情も違うような異世界で、中学に進学した当初は
軽いカルチャーショックみたいなものもあった。
ほんの数百メートルしか離れていないお隣の小学校の子達が、異文化を持っているように見えた。

しかし、そんなカルチャーショックも同じ学び舎で一緒にいるうちに次第に薄れてきて、
市内にはまだまだもっとすごい田園風景の中で生活している子もいるっていうのを
更に高校に進学して知ることになり(爆)、
加えて市外に出れば、もっと田舎度にも拍車がかかり・・・・なんていう現実を目にして
だんだん自分の世界も広がっていった。
しかし、それも既に15年以上前の話で、今となってはそういう場所もかなり開拓されて、
道路事情も住宅事情も頗る良くなっているから不思議なものである。
まぁ、当時は徒歩か自転車くらいしか移動手段がなかったのが、車を使うようになってすごく便利になった
というのも多少影響しているのかもなぁ。


さてさて。
お片付けが苦手なアサミンジャーですが、それでも全くやらないわけにもいかず。
とはいうものの、派手にできるほどの才能も余裕もなく(爆)。
この日、地味に昔のファイルやらアルバムやらをちょこっと整頓しておりました。
と、その傍らで、中学の頃のアルバムやらが出てきた。
お片付け中のアルバムというのは、鬼門っつうか、物凄い誘惑ですなぁ・・・・( ̄∇ ̄;)
そこで何もかもが中断されて、そっちに意識がいってしまうのは、ホント、毎度のコトながら
なぜなんだろう、どうしてなんだろう??と不思議で不思議でたまりません(苦笑)。

誘惑に負けて、懐かしさからその中の1冊を不意に覗いてみました。
そして、その中に、あたくしが今住んでいるところと目と鼻の先に住んでいた
クラスメイトがいるというのに気づかされたわけです。
どのくらい近いかというと、細い路地を1本隔てただけ・・・・というレベル。
そしてあたくしは15年前、その子のお家に遊びに来たこともあるということも思い出したのです(笑)。


結婚して、この部屋に引っ越してきて、あたくしはここがすごく好きなわけなんだけど、
この日まで、自分がここらを訪れたことがあるという経験そのものを忘れてしまうほどに、
この辺りの風景は本当に様変わりしてしまったのだ。
確かにここらを訪れた日のことというのは、あたくしにとってちょっと印象深い日でもあったので
そのことはきちんと覚えているのだけれど、
それが今住んでいるところと目と鼻の先・・・・というのがどうも今ひとつピンと来ない。
今でも、ここら周辺には沢山田んぼが残っていて、時期ともなれば青々と輝く水田、
金色に輝く稲穂、それらを照らす七色の太陽の様も美しい。
ただ、当時は一切背の高い建物がなく、夕日に照らされるものといえば、そこにある道、
そこにあるトタンや瓦の古い屋根、そこにある石ころ、そこにある草花・・・・ただそれだけだったのに、
今は陽光を反射させるものが本当に沢山増えた気がする。
だからあたくしの感覚も麻痺してしまって、同じ風景として記憶が繋がらなかったのかもしれない。
訪れたことのある、あのクラスメイトが住んでいたはずの古い長屋も、
どうしてか、同じ風景として見えてこない。
それは、とてもとても不思議な感覚なのだった。


このあたりは古い民家が少ないので、あの頃の同級生たちも独立すると、
男の子、女の子問わず、別の土地に引っ越すことが多いようだ。
女の子は特に結婚を機に土地を離れることが多いので、残っている子はほとんどいないのだけど、
男の子ですら新天地を求めるようなので、あの頃の同級生たちは、
ここらに住んでいた子達もほとんど別に移ってしまった。
市内に残っている子は沢山いるけれども、それでも、あたくしが今住んでいる近くには
あまりいないというのが現状だ。
人も建物もここ数年のうちにごっそり変わってしまった、かつての記憶にあった場所。
今、新しい記憶や思い出が刻まれようとしているわけだけど、
上書きするには勿体無いようなことも沢山あったりして、
何となく、複雑な気分なわけですよ・・・・(のすたるじぃ・・・・)。

↑意外と記憶は鈍るもの(爆)

あさみ


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