俺様達猫族は、よく眠る。 だから、「怠けている」だの「猫の手も借りたい」だの 不名誉なことを言われている。 だが、眠りこそが我々にとってもっとも大事な仕事だ。 猫は短期集中型の動物だ。 犬のように持久力はない。 その代わり、一点に集中する能力はどの動物にも負けていないだろう。 その爆発的な瞬発力を発揮するためには、充分な休養が必要なのだ。 もっとも、家の中で暮らすようになってからは そんな瞬発力は気まぐれにしか、発揮しなくなっているかもしれないが。 大事なことは、俺様達の眠りが、いかに神聖であるかを 人間どもに分からせることだ。 俺様の眠りを妨げる行為は、一切慎ませる。 そうさせるのに、眠っているときにも漫然と惰眠するのではない。 常に、人間どもに俺様が特別な存在であり、俺様のすることを 邪魔してはならないようにしなくてはならないのだ。 …恥も外聞もなく、惰眠をむさぼっているのは… むしろ人間の方だと、俺様は思う。
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