赤睫毛
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ふと香ったあの匂ひは
寂しがりやなわたしの脳が思い出したからでしょうか。
ふと香ったあの匂ひは
ただの匂ひだったのでしょうか。
今 何をしていますか?
今 何を考えていますか?
耐えられない濁流の中に身を投じて
避けられない運命に呑み込まれて
殺しきれない自らの感情を道連れに
何処までも
何所までも
嫌なことも
悩んでいることも
全部
吐き捨てられたらいい。
あなたを つなぎとめるために
わたしのきもちは おもくありませんか ?
のわたしのすべてをあなたにささげます。
腹が減ったり
瞼が重くなったり
人を愛するように
嘘を吐いて
誰一人傷つけることなく
自らの首を絞める。
大きく開けた口は
真っ暗な闇への入り口。
無秩序。
我儘な機械音。
空だと思って
見上げていたものが
実は
虚像であったと知るように
本物だったと
信じていたものが
偽者だったと
真実を知るよりも
偽者を本物にしてしまうほうがどれだけ楽だろうか
纏まらない考えや言葉を
どうにかして型に入れてしまえ
と
我武者羅に叫んでも
思い通りにはならなくて
仕方なく髪を毟る。
白い口から漏れるのは
拙い溜息ばかりで
要らないものばかりが交錯する。
欲。
罪と林檎。
針が刺さったように痛い。
心臓が締まる。
体中が何だかおかしい。
どれだけ待っても
音は聞こえない。
どれだけ祈っても
音は聞こえない。
腹の奥深くに潜む汚いものが
身体のなかを螺旋を描くように昇ってくるのを感じる。
痛い。
一面に広がったクローバーのなかに見える大きな赤い葉脈の葉。
踏んだら血ィ吸われるよ。
思い切り踏んで葉を毟り取った。
授業中ふと思い出した小学校時代。
赤かった指が
白くなりました。
青かった空が
白くなりました。
秋の匂ひ。
秋の色。
葉が色づき始めました。
、伝わっていますか?
こんなにも自分は子供だった。
何を今更。
つまらない自尊心を身にまとう
ただの子供だった。
毎日
毎日
こんなに笑っても
こんなに食べても
忘れられない
脳裏に焼きついて離れない
言葉 と 声 と
しばらく
どこかに消えてしまいたい
そう 思いました。
赤いのも
白いのも
青いのも
黒いのも
全部忘れて
全部捨てて
すこし
どこかへ消えてしまいたい
そう 思いました。
眼を赤くしても
答えはみつからなかった。
おしえて
あたしは何処にいけばいい?
眩しくて
目に太陽が焼きついて
目の前が見えないよ。
こんなにも いるのに。
木々の中を風をきって通り抜ける
そうなんだ。
自分に言い聞かせよう。
他にはどうすることもできない。
もっと なりたい。
このままでいいの?
自問。
答えは見つからない。
ないとけないはずなのに。
ごめんなさい。
愛
し
い
人
よ
私
に
光
を
望
ま
な
い
で
こっこ。
雨ふらし
タオルとか
服とか
誰 ない
そう思うのは
私の愚かさなのでしょうか。
あの日の出来事が
とてもとても遠く感じる。
もう
消
え
そ
う
で
す。
風が運ぶ唄
雲が歌う歌
花が作る詩
全ての音を紡いでうたいましょう。
海の向こうへ
山の向こうへ
空の向こうへ