オミズの花道
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『美容院は地雷だらけ』
2003年03月19日(水)


先日、おっかない店のママが来た。

うちと並ぶくらいの老舗のママである。
オバケで芸者をしたときにお世話になったのはこの人だ。


ビシバシの迫力に店内騒然。
どうせ水を張るならここまでやってみな、という有無を言わせぬ迫力である。


『Nママ、先日は大変お世話になりました。』
『あら、なおちゃん。ここ何日か美容院で見ないから心配してたのよ。』
そう、このママとはあれ以来美容院を共にしている。

『はあ。ちょっと義理で別のところに顔を出してまして。』
なんて会話をしながら過ごす。



・・・・美容院って地雷なんだよね。

常連は自分のお化粧道具も美容院に置いてて、そこでお化粧するもんだから、仕上がるまで何処の誰だかマジで解らなかったりすると、挨拶が遅れてしまうんです。
私もお化粧は厚いが、皆様本当に誰だか解らないんですのよ、ほほほ。

今、義理で少しの間通っている美容院は、地雷群がそこここにある。
仕上がって立ち上がって鏡越しに 『ぎょえっ!!』 と思う事もしばしば。

取り敢えず誰だか解らないうちに、どうもどうもと挨拶をして難を逃れているのだが、それでもやはり心臓に悪いのは変わりなく。
美容院タイムは中々に気を抜けない時間だったりするのだ。


実は水上、このママにも地雷を踏んでしまった事がある。
よりによってママが隣に座っていらした時に、挨拶を逃してしまったのだ。
あの時は非常に気まずかった・・・・。

・・・・でも全然解らなかったんだもん。
女同士で解らないってよっぽどなんじゃないかと思う。
自己弁護しておこうっと。


私の行く時間帯はママ連中が多いのだと後になって気が付いたのだが、このドジぶりを充分に堪能した美容師さんによって最近は危機を救われている。
皆様どうも私を放っておけないらしい。優しいです。いつもありがとう。

ことに担当のトヨカワさんには随分と助けられた。
彼女は私が地雷を踏みそうになると、鏡越しの目で合図してくれる(笑)。
ごめんなさいトヨカワさん。いつもお世話かけてます。


で、怖いんだよね〜オミズのママさん達って。
ちょっとご機嫌が悪かったりすると、

『そんな止め方(ピンの)しないでよ!!』とか、
『この形おかしいわよ!あなたセンス無いんじゃない?』とか、
『自分でやった方がマシよ!』とか言われて手を弾かれたりするらしい。

そこまでの出来事を目撃したことはないが、こうしろああしろと言うのや、チェンジコールは何度か目にした事がある。
美容師さんもその時間帯はピリピリするようで戦々恐々だ。


で、私は・・・・と言えば。
まな板の上の鯉のようにじっとしているしか術が無く、大人しいものなのだが、トヨカワさん曰くそれでは駄目なのだと言う。

『だって綺麗にするのは自分の為じゃなくお客様の為なんでしょう?
 妥協しちゃ駄目ですよ。』と。
まあ、ね。そりゃそうなんですが。

そうか、そういうものか。
ちょっとクレームでも付けてみようかな、・・・・なんて思っていたのだが、トヨカワさんはチーフなだけに仕事にもソツがなく、また私がNママの紹介なだけに、良くしてくれるので、クレームの付けようも無いのであった。(いいじゃん、それで。)

そこは本当に良く出来ていて、混みそうになる日には前もって電話をくれる。
『今日は周年の店の方が何人かおられますのでお早めに。』とか、
『オバケなので混むと思います。今の空きは○人です。』とか。
こういう所はちょっと珍しいんじゃないかな。


で、先週は義理で別の美容院に通っていたのだけれど、余りのオバサンセットに愕然として『お店に出勤したくない』と呟いてしまった。

美容師さんは顔色を変え、そそくさと直してくれた。


義理も終わり、今日いつもの美容院に行ってトヨカワさんにそれを言ったら、
『へええ〜〜〜。水上さんも嫌味を言えるんですねぇ。ふうん。』と感心された。

え、嫌味なの。心からの呟きだったんだけど。
嫌味は好きだけどこれが嫌味なの、どこがどないに?

『多分その言葉、私達の一番深いところに訴えかけると思う。
 手を弾かれるより、じわ〜〜〜っと来るんじゃないかな。』


そうか。
そうなのか。



また地雷をふんじゃったようです。

ごめんなさい。


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