オミズの花道
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『転がる石に苔は生さない』 Rolling stone gathers no moss.
2003年03月24日(月)
私が小学校に入ってすぐくらいだろうか。
爆発的にヒットした洋曲があった。
カーペンターズの 『イエスタデイワンスモア』 である。
カレン・カーペンターの声・・・・、あの声。
世界にはこんなにも美しい『音』があるのを知った日だった。
きっと私と同じように、彼等がきっかけで洋楽に入った方は多いのではないかと思う。
生意気なガキではあったが、カレン・カーペンターの声には生意気なガキを作り出す、
と言うか・・・・世代を超えて、国境を越えて、心を掴む大きな要素があった。
もうあんな声の持ち主は出て来ないだろうな。
時期を同じくして、私は『THE ROLLING STONES』というバンドを知った。
この頃、彼等の日本公演が計画され、チケットも完売であったにも関わらず、
メンバーの麻薬歴が問題となり公演が中止になった騒ぎがあったのだ。
そのセンセーショナルさから私は彼等を知ったのだが、最初は戸惑った。
ユニオンジャックをマントに、ピチピチのスパッツ、上半身は裸で独特の踊り。
正直『なんじゃこりゃ、オヤジ・・・・(股間が)モコってるぞ』と思ったものである。
好きなのがカーペンターズなのであったから、当然私には受け入れ難い存在だった。
だが、『悲しみのアンジー』を聞いた時に、ガラっとハマってしまったのを覚えている。
この出来事はちょっと私の中で改革だった。
昨日まで嫌いだったものを今日からは全面的に受け入れる、妙な心の快感の存在。
ガキの頃にそういう柔軟性を味わうのは世界観が広がる。
嫌いな食べ物も減ったし、苦手なものも減った。人に対してもそうだ。
変な発想だがストーンズは幼児教育にも良いのじゃなかろうか。
さて、それからは洋楽の虜になった。
クイーン、キッス、クラプトン、ボブ・ディラン、イーグルス、デビット・ボウイ、ドアーズ、
スティービー・ワンダー、アレサ・フランクリン、ロキシーミュージック、ジェネシス、ポリス、
ユーリーズミックス、U2、好きなアーチストを挙げればきりが無い。
節操も無く、ジャンルも無く(笑)。
当然ストーンズのナンバーも聞きまくった。
周りがビートルズ一色に染まっていく中、白い目で見られながらも聞きまくった。
ユーロビートの波が来て、私もお年頃になりライブを聞きに行くようになって、
好きなアーチストが沢山出来ても、ストーンズのナンバーが頭から離れる事は無かった。
ずっと、ずっと、ずっと。
そしてそう、今から15年前のあの日。
奇しくも今とほぼ日にちも変わらない3月の18日。
ミック・ジャガーの単独来日公演があった。
高校生の私は、友人に取って貰った最上級のチケットを手に入れ、
大阪城ホールのアリーナ、最前列から数えて4列目にひとりで座っていた。
行った方はご存知だろうが、あの公演は最前列と舞台の距離が短く、
あれほどミックに近いコンサートも珍しいのではないかと思う。
(そのせいか乱入者も居たけどね。)
ジャガー様の表情が細かく見えて、非常に貴重なひと時であった。
王者というのはこういうものだ、というのをまざまざと見る。
飛び散る汗も鼓動も超えて、背中には黄金のオーラ。
正直、コイツぁ人間じゃないと思った。
そして、ストーンズの初来日。
ミック・ジャガーの単独来日公演の時には、こんな日が来るなんて思わなかった。
同じストーンズファンなら解って戴けると思うが、我々はずっと脅えていた。
「ビートルズのように、彼等が解散してしまう」ことを。
事実不仲であったし、それゆえ休止の時期が長かった事もある。
解散デマが飛ぶこともあったし、メンバーの事故や死亡もあった。
来日公演なんて夢のまた夢。・・・・だったのだが。
大阪ドームのシートに座りながら、目の前に広がる信じられないような光景に、
夢が叶ったような、それでいてまた夢を見せられているような不思議な感覚を、
私は全身で味わっていた。
それから過去の公演を全て聴き、今日のこの日。
今までの様々な思い出が心に浮かんで来る・・・・。
王子様ミックも、キース閣下も、道化者ロニーも、哲学者チャーリーも。
相変わらず健在で、相変わらず神様で、相変わらずやんちゃ坊主だった。
中央に設けられた特設ステージで奏でられる、そして起こる大合唱。
『 Oh,day! Like a Rollingstone! 』
大きな波が押し寄せる。
今この場に居れる幸せ。
彼等を評して『継続は力なり』という意見を良く目にする。
私も本当にそう思う。
加えて、トップに居続けること、
王者の威厳と風格を保ちながら君臨していること、
王道を極めなければ有り得ないであろうこの結果に尋常じゃない物を感じる。
そしてこのとてつもないバンドと、共に時代を生きた事に喜びを感じる。
『転がる石に苔は生さない』 Rolling stone gathers no moss.
その名の如く。
後ろを振り向かず、
立ち止まらず、
前に進め、
我々はいつも未完成である。
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