オミズの花道
old day    days list    new day

『男の可愛さ・その1』(都会のお客様と地元のお客様の違いについて)
2003年07月22日(火)


男性の可愛さを述べる前に、まず反した『可愛くない話』を置いておかねばならない。

酒は魔物である。
何も飲み屋の世界だけではなく、昼間の一般の社会においても、
『社員旅行で飲みすぎて男女問わず入り乱れてうんたらかんたら』とか、
『飲み会で上司とデキちゃった』とか、『友達の彼氏彼女とデキちゃった』とか、
そういう酒の弾みで地雷を踏んで後悔なさった方は多いのではないだろうか。

この『酒』という物質が大脳皮質に浸透すると、社会的に正常な思考が奥に追いやられ、
本能の箍を外す役割を担う。ひらたく言うと、酔っ払いは本能に基づく欲望が出やすいのだ。

そしてアルコールが小脳や脳幹にまで達すると、意識を失ったり呼吸が出来なくなったりして、
命の危険さえある。(所謂アルコール中毒ってやつ。)

アルコール漬けの小脳。脳幹。う。いやはや怖いね。飲みすぎで死ねちゃうんだね、人間って。
でもこれって助かった時が凄く苦しいんでしょ。ああやだやだ。

感情ではなく行動において、『酒のせいにして逃げる』 と良く言うが、
人によって強弱のある合成物質が相手なので、私個人は酒で自爆した相手を問い詰めたり、
人格を疑ったり、それによって相手への行動を変えた事は今まで無い。

それはきっと若い時から酔っ払いを見て習性(と言っていいのかね)を熟知しているからだろうし、
酔わせて本音を覗きたいという、自分のいかがわしい好奇心の代価を支払う為に、
少々の事は目を瞑ろう、などと言う詭弁にも似た言い訳を用いているからかも知れない。
・・・・これはこれでヤな奴だな。

っていうか個人的な量の差はあれど、飲んだ限界を超えれば誰しも必ずそうなるのだから、
飲んだ行為を責める事は出来ても、酔っ払って取る行動や言動をまともに取ると馬鹿を見る。
酔っ払いは確かにみっともないが、酔っ払いに説教する人間はもっとみっともないのだ。
責めるだけ自分が虚しい。


私自身はと言うと、弱くもないので自分自身が酒においての地雷を踏んだ事は無い。
どこまで行っても自分のした事や言った事は覚えていて、自覚症状はある。

やや笑い方が変わったり、ちょっと涙もろくなったり、普段の感情の波が大きくはなるが、
外から見て余り大した変化は無いらしい。これはこれで飲まされがちなので損は損だ。
酔ったフリが出来れば良いのだが、そういう器用さは残念ながら持ち合わせていない。
一度で良いから記憶を失くすほど飲んでみたいものだ。(死ぬ?死ぬ?)

ところが世の中には酔うと自分の行動や言動を全く覚えていない幸せな人がたまに居る。
初期の頃は本当かどうか訝しく思っていたのだが、深酒をする、ペースが速い、
もしくは体調が悪いなどの傾向の持ち主は、翌日になるとスッカリ忘れてしまっている人が多い。
勿論これも『覚えていない』と言い張る人々の中のほんの一握りで、大半は嘘が多いのだが。

周りに全く覚えていないと言う人が居たら、一度実験してみることをお薦めする。
喧嘩を売るなり2〜3発シバくなり、何かしらしておいて翌日のリアクションを見てみよう。
割と高い確率で解答は得られる筈だ。


さて、『何も覚えていない。』この傾向はキタやミナミなど、都心に近ければ近いほど薄くなる。
皆『自宅まで帰らねばならない』という帰巣本能が働くのか、自分の行動に責任が持てない、
自覚症状が無い、までに酔うお客様は滅多にいらっしゃらない。

しごく当たり前の事なのだが、誰しも周防町に並ぶベンチの上で朝日を浴びたく無いのだろう。
取敢えず家路に、もしくは今日の宿に、と帰りの余力を確保しながら酒を楽しむ。
この辺りを捉えて『中心地の客層は地方より良い』という傾向になるのだと思う。

それに正比例した形で、ハチャメチャに酔うまで飲む酔っ払いの種類は地元の店に多い。
帰るのなんて何とかなるから、自分の行動にも責任を負うのが少なくなる。
そうなると都会で飲むより酒量が少々増し、やんちゃも増して行くのだ。
この辺りを捉えて『郊外の客層は悪い』という傾向になるのだろう。


が、これが議員センセだとか地元の名士だとか、・・・・そうでなくても、ある程度の年齢に達し、
地元で商売や事業を起こしている人になると話は別。地元では乱れない人が多い。

地元では人の目があるから一切飲み屋には顔を出さない、と言う方も多い。
そういう方は上記のように、帰巣本能のもと、都会にてそれなりに楽しまれるのだ。

お客様にレベルもランクも身分も年齢も職業も家柄も無いのだが、
ホステスから見てお客様の『お行儀』にのみ点数を付けるとしたら、
私にとっては地元の若造(私にとっては45歳以下が若造)が最低の点数だったりする。

地元での評判なんぞ気にしない、根っからの地元民ではない、引っ越せば済む、
こういうお客様は本当に怖いっす。やりたい事やって知らん振りなんだもの。
その厚顔無恥さには呆れるばかりで怒る気にもならないほどだ。可愛く無さ満開。

未必の故意で本能を『外そう』と飲むのは、私にとってもはや犯罪であると言って良い。
家でやってくれりゃいいのだが、外でやられると必ず巻き添えを食う人間が出てくるもん。

彼等も自分の柵のある場所ではそんな風に飲んだりしない。
周りや自分の立場や縄張りを考えながら飲むのが男というものなのです。
つくづく『社会性の生き物』なのですね、彼等は。



さて、長くなりそうなので今日はここまでにしたいと思います。
続きはまた次回に。



人気サイトランキング

2003/07/22
old day    days list    new day

mail    home    photodiary







Design by shie*DeliEro
Photo by*Cinnamon


88652+