オミズの花道
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『ライオン実験と女性の身体は進化した論』この世に男が存在せずとも女は自分の身を飾るのか?(2)
2003年09月03日(水)


『 この世に男が存在せずとも、女は自分の身を飾るのか? 』
の続きだ。

確かに人間だけが生物の法則に反してはいる。
他の生物は昆虫や鳥類や哺乳類のどれも、雄の方が生まれもって煌びやかで、雌の容姿を遥かに凌ぐ姿の者が多い。
人間に近いとされる猿においても、雄の容姿のほうが雌よりも毛並みが豪華だったり、多色であったりするのだから面白いものだと思う。


昔CS放送のディスカバリーチャンネルで面白い実験の様子を放送していた。
米ミネソタ大研究グループがアフリカのタンザニアの国立公園内にて、等身大のライオンのぬいぐるみを作り、鬣(たてがみ)だけを入れ替えて、雌ライオンの群れの近くに置いたのである。

鬣のパターンは2つ。
1)茶色い鬣
2)黒色の鬣

鬣を入れ替えているだけだから体格も全く同じなのに、雌ライオンが求愛行動を示したのは2番だった。
つまりライオンの雌にもてる雄というのは、黒い鬣を持つ雄だという事になる。
しかも面白いのが、これには鬣の長さや豊かさは関係なく、色のみが重視されるという結果だった。

実際の所、黒い鬣をもつライオンというのは茶色い鬣を持つライオンよりも男性ホルモンが多く、また栄養状態も良いのだという事が血液検査で判明している。
そして野外観察においても、鬣が黒いライオンの子供は生存率が高いのだそうだ。

つまり雌は見た目で(相手がぬいぐるみだから匂い説はここで打ち消される)優秀な遺伝子を残せる相手なのだと、黒い鬣の雄を品定めするらしいという事が解った。

反して雄ライオンは鬣の黒い雄ライオンには近寄らず、茶色い鬣のライオンに近寄ってきたのだという。黒い鬣のライオンは自分にとって脅威になる存在だから近づきたくないらしい。
この辺りも自分の子供を守る雌ライオンにとっては、種の存続において大切なポイントなのだろう。

このように人間以外の動物は、外見が重視されるのが男だけなのだから実に面白い。面白いというか解りやすくていい。
最終的な目的が種の保存である彼等は、求めるものもストレートでピュアなのだ。


だが、ちょっと面白い説もある。
人間の雌は自分の種の保存の為に、特徴を身体に現わすように進化した、というものだ。
つまり人間の女性は、自分の生殖能力の高さを見た目に押し出した、最初の雌だという論がある。
勘の良い方はお解かりだろうが、これは女性の乳房についての話だ。

本来なら人間の女性の乳房はこの位置に無くてもいい。体格、または二足歩行においての生活形態、生理的機能においてもちょっと不自然なものだという。
猿の雌が人間の雌に近いのではあるが、猿の雌の乳房は比率で言えば人間よりずっと下の位置にあり、また普段(妊娠や授乳期でない時期)の大きさも全然違う。

最終的な論としては、女性の乳房は男性の視線に沿うように高い位置にあり、また平常時のその種として不自然な大きさは、生殖前に自分がいかに子供を育む能力が高いか、を主張する為に進化した、というものだった。

これはちょっと興味深いと思う。いささか怪しげでこじつけの様な感も否めなくはあるが、確かに人間の雌の乳房は、生殖の為だけに存在する『だけ』とも言い難い。
だが同時に上記の説が正しいとするならば、何故人間の雌だけがそう進化『せねば』ならなかったのか、という疑問が生じる。

私自身がこの説を押すならば(余り押さないけど)、次のように推測する。
まず人間の雄が、種としては個体数も雌と同じくらい多く、また個体数が雌と同じく存在する他の生物に比べて長命であることが、女性の身体を進化させた原因ではないかと思う。

人間の雄が、生物として沢山の優位性・・・・長命や個体数の確保を兼ね備えてしまったゆえ、人間の雌は雄を獲得する為に変わらなければならなかったのではないか?選ばれる雌になる為に自分の身体を進化せざるを得なかったのではないか?

もし他の生物・・・・例えばライオンの雄が人間の雄と同じ優位性を得たら、ライオンの雌も進化したのではないだろうか?
彼等が人間の雄のように長い期間の生殖能力を得たら、選び選ばれる雌の範囲も広がるし、雌は雌で雄を確保する為に何かしらの変化をせねばならない筈だ。

勿論これは『女性の身体は進化した論』を押すならば、の話ですが。
(続く)


*1st(初日分)追加しました。プロフィールです。





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