オミズの花道
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『士は己を知るものの為に死す、女は男の為にその身を着飾る』
2003年09月04日(木)
ライオンの実験がどうのなどと、前日の日記のような内容を、私が頭の中で考えている最中も討論は続いていた。
討論と言えども飲み屋の討論だ。たかだか知れてはいるが。
まず男性側は頑として、女は男に見られて褒められたいからその身を飾り、より良い男を捕まえようとする、という言い分があるらしい。
彼等によると、ミニスカートも露出度の高い服も(ヘソ出しとか)、見る男が居るからであって、女性ばかりの世界ならそんな文化は育たない、と言うのだ。
反して女性はこう述べる。
例えば女同士で出かける時も、同性の女性の家に皆で遊びに行く時も、女はお化粧をするしお洒落もする。
女は女に負けたくないから、この世に男が居なくても女は身を飾ります、と。
『だってねえ、カップル同士は男を見ないで対面している女を、女は見るのよ。相手の女がどんな服を着ててどんなバック持っててどんな靴を履いているか、とかさ。 女が本当に男の為にお洒落するってんなら、相手の女なんかどうでもいい筈じゃん〜。』
と、若いお嬢さんは述べる。
『それは初期段階の話だろ。最初はより多くの女の中から抜き出でた女になって、注目を浴びることが目的なんだろ?でも最終目的はより多くの男を引き連れた女になって、選択肢を広げる為なんだから、最終的には男の為に装うんじゃないか。』
と、男性連中も負けてはいない。
『そう言えばうちで昔飼ってたインコは、雄の方が綺麗だったんだけど、雌が一生懸命紙をちぎって尻尾に挿してお洒落してたなあ・・・・。』
そんな私のボケは流され、話は続いていく。
『そんな・・・・より多くの男を引き連れる女になりたいか、なんて思うかなあ?まあ、そうだとしてもより多くの男を引き連れる女になって「ふふん♪」って顔をしたいのは、それでもやっぱり女相手にだもの。別に男なんてどうでもいいんじゃないかなあ。』
『じゃあ女子高とかどうなんだよ〜。うちの姉ちゃん、女子高だったけど、男の目が無いと女ってとんでもなく行儀悪かったりするって言ってたぞ。』
『お行儀とお洒落は関係ないもん。女子高でもどこでも、女の子同士で新しい化粧品が手に入ると皆に見せたり、お洋服自慢したり、そういうのが楽しかったりするんだもん。』
『でも、女同士で褒められるのと、男相手に褒められるのとじゃ、嬉しさが全然違うだろ?』
『・・・・う〜ん。オカマが綺麗に装って、多くの男を従えて「ふふん♪」ってしたいのは、同じオカマ相手になんだろうか?それとも女相手になんだろうか?』
今度は真剣な疑問だったのに、皆一瞬私を見ただけで、またコメントは流されてしまった。
流すのはいいんだが、何だよその冷たい目は。(悲)
そう言えば男が着飾ってお化粧している部族が居たな。アフリカだったっけ?ニューギニアだっけ?チャンブリ族って言ったっけ。みんな顔がテレンス・トレント・ダービー(古)みたいだったのよね。それなりに綺麗だったなあ・・・・。
ああいかんいかん。どうもこういう討論になると私の脳味噌は逃げたがる。
だいたいさあ、そんなもん決着なんて付くわけ無いじゃん〜。帰ろうよ〜もうお店終わった時間だよ〜。お腹空いたよう〜。
『昔から「士は己を知るものの為に死す、女は男の為にその身を着飾る」言うんや。中国の言葉やったかな。 士、言うのは男を指すんやけど。』
すっぽんぽん発言オヤジが言う。なんだ、頭イイじゃないか。
『何それ?意味が解らへんわ。女は気楽や、言う意味?』
『何やろ?戦場に向かう男の為に着飾れ、とか?』
双方の問いにすっぽんぽんオヤジ、
『う〜ん、何やったかな?思い出されへんわ。』
・・・・なんだよ。頭イイのに酒漬けで働いてねえじゃん。
『なおちゃん、アンタ解るんちゃうのん?古い事よう知ってるし。』
すっぽんぽんオヤジ、何ゆえママに聞かず私に聞くのだ・・・・。
『はあ・・・・確か、女が着飾るのは男の仁義とか義理と同じだ、って意味だったかと。』
『ああ、そうやそうや。それやったわ。』
『え〜っ何それ?そんなお気楽な扱い、ひどいわ〜!!』女性陣からのブーイングだ。
『ああ、違う違う。私の言葉が足りなかったけれども、女がお洒落をするのは、男が仁義に生きる事と同じくらい重要で意味がある、って最上級の褒め言葉らしいよ。』
『ああ、そうやそうや。それやったわ。』・・・・頼むよ、すっぽんぽんオヤジ。てめえが引用こいたクセに野放しかよ。
『何もな、ワシ等男は女を馬鹿にして「女は男がおらへんかったら、お洒落せえへん」なんて言うてるんやないで。女にしたらそういう言葉を聞くと何や「能が無いとか、お気楽そうや、とか馬鹿にされてる」ように思うんやろうけど、そんなんとちゃうねん。尊敬も込めて言うてるんや。』
すっぽんぽんオヤジ、なおも続ける。
『男が義理人情や仁義を重んじるのと同じくらい大事やって、二千年やったか三千年前やったかの儒教の格言や。それくらい男を奮起させる女は大事な存在やって意味もあるんやろう。裏を返せば男も女がおらんかったら義理も仁義も通さへんのちゃうか、って事やな。』
す、素晴らしい。何だか良く解らないし、理屈は全然通って無いかもしれないけれど、強引に引き込み、尚且つ綺麗にまとめる。ダテに重役職ではないな。
さて、綺麗にまとめたあとお会計を済まし、重役と若造と皆で(ママは抜き)アフターに行った。アフターのお好み焼き屋さんで、じゅうじゅうと焼けるお好み焼きを見ながら、水上はふと思う。
儒教の格言とは知らなかったなあ・・・・。ぢゃなく。
例えば昨日の日記で書いたように『女が進化した』と言う説が成り立つとしよう。
そしてその進化を守る為に、男も女を繁殖活動の相手としてだけではなく、『士は己を知るものの為に死す、女は男の為にその身を着飾る』という言葉を残した如く精神が進化したなら、彼等男性は他の生物とは一線を引いた、大いなる進化を遂げた事になる。
猿山のボス猿は世代交代をすると、前のボスの子供を片っ端から殺す。別に人間の戦国時代のように仇討ちが怖い訳ではなく、自分の遺伝子を残すのが最終目的なのだから、他の遺伝子は必要ないのだ。子を産み育てている雌の感情など一切構う事は無い。
解析によればその猿と97%が同じ遺伝子だと言うのに、人間の雄は尊敬という高尚な感情さえ、ましてや装飾という無駄な行為にさえ、敬意を払っている。
こりゃあ凄いことだよ。おっぱいの上げようもあるってもんだ。
だけど、水上はもう少し突っ込んで想う。『士は己を知るものの為に死す、女は男の為にその身を着飾る』の言葉の本当の意は、互いにその行為が無駄だと思ってはいても、お互いを尊敬し助け合って譲り合って暮らして行きなさい、というありがたい先人の教えなのではないだろうか。
今も昔も、ひょっとしたら今日のように男女の集まりにおいて、何度も何度も繰り返されてきた話題だったりするのではないだろうか。
何だかちょっとほのぼのしちゃうね・・・・。
・・・・ん?ちょっと待て。
それなら私が変えたお化粧くらい、気が付ついてくれよ。
何だか一人だけ割りを食ったような気分で、イカ玉を突っつく水上なのでした。
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