無責任賛歌
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|藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2005年03月27日(日) オウムが来りて……何をする?/ドラマ『巷説百物語 孤者異(こわい)』

 今んとこ一回も見逃してないぞ、の『仮面ライダー響鬼』九之巻「蠢く邪心」。
今回の妖怪(魔化魍)は「オオアリ」。ムシ系は一話で土蜘蛛が出てきてたからインパクトが薄いなあ、こいつでまた二話連続の話だったら間延びしちゃうなあ、と思っていたら、ヒビキにあっという間に倒されてしまった。
 あれれ? と思っていたら、メインの妖怪は,イブキが遭遇する別のやつなのであった。姑獲鳥(うぶめ)か大首か、これまでの「猛士」のデータでは判断がつかない(どうやら「おとろし」らしい。予告編を見る限りデザインはでかいサイだが)新妖怪。レギュラーが増えて、そろそろ新展開が必要じゃないかと思っていたところだったのだが、設定も構成も少しずつ複雑になってきている。
 その反面、明日夢がなかなか猛士V魔化魍のメインストーリーに絡んでこないのが気になる。いや、常識的に考えればただの高校生をそんな危険な運命に巻き込んでいくことは極力避けるのが普通なのだが、それじゃドラマにならないから(笑)。でも昭和ライダーシリーズの少年ライダー隊みたいになっちゃっても困るし。ここは明日夢がとんなふうにヒビキの弟子になっていくか、その展開を見ていきたいところである。多少の葛藤はあっても、多分そうなると思うんだけどな。
 知ってる人はもう多いと思うが、明日夢君を演じている栩原楽人(とちはららくと)くん、島本和彦原作の映画『逆境ナイン』にもライト山下役で出演している。映画は多分つまらないと思うが、藤岡弘、と楽人くん目当てで、オタク諸君は見に行くように。全国ロードショーは七月からだ! 福岡じゃ「シネリーブル」での公開だからいつになるかわかんないんだけどなっ(涙)。


 町内会の総会があって、来年からうちが組長の当番が来るというので出席。収支決算だのなんだの、こういうのは退屈なだけなんで、居眠りしないかと心配していたのだが(実際、殆ど退屈なのだが)、会長さんが“あること”を口にして、いきなり眠気がすっ飛んだ。
 「昨年から、オウムの道場が町内にできておりますが……」
 もちろんこの「オウム」というのは「オウム真理教(アーレフに改称)」の支部のことである。10年前の事件当時は博多駅前にあったのが、その宇土枝クー気裏に引っ越したまでの情報は聞き知っていたが、まさか自分とこの町内に来てたとは。
 会長さんの提案は、来年を期して町内からの退去を求める委員会を設立したらどうか、ということだったのだが、10年前ならばともかく、旧オウム真理教の罪を認め、ひたすら謝罪と賠償を行っている現在ではかなり難しいのではないか。
あえて他人事のように言っちゃうけれど、オウム真理教が麻原彰光の「ポア」の宗教概念に則って、再び無差別大量殺人を行う危険性があるかどうか、それは年々低下してきていると考えざるを得ないのではないか。もちろん、だからと言って、住民の不安が解消されるわけではない。未だに地下鉄サリン事件の実行犯の一部が逃走中である以上、在野の信者が彼らをかくまっていないと断定することはできない。しかしやはりそういった「不安」も、結局は漠然としたものだとして、今後犯罪を犯すという確たる証拠とは認められないのではないか、ということなのである。
 私も正直な話、今はオウムよりも地震のほうが怖い。いや、未だにややヒステリックな感じで、オウムをいかにせん、とコブシ振り上げ力説する会長さんのほうが怖い。まあ仕事だから町内会の連絡とかはするけれども、あまりこういう人のいる総会とかには出たくないもんである。


 帰宅して昼寝をしたら、変な夢を見た。しげが自分の日記にも書いていたが、「生きた雪ウサギ」を飼っている夢である。
 ウサギは二羽いて、名前はジャニスとケン。生きてはいるのだが、この二羽、雪ウサギだから動かない。でも生きてる限りは自分の見てないところでは動いてるんではないかと思って、ちょっと離れたところにジャニスを置いていたら、いつのまにかいなくなってしまった。「ジャニスー、ジャニスー」と声を掛けて探していたら目が覚めたという、特に面白くもない夢だった。
 けれどもどうやら、寝ぼけて夢の様子をうわごとで実況中継していたらしく、それがおかしかったのでしげは日記に書いたらしい。相変わらず意味不明な文章になっているので、注釈をしておきます。



 WOWOWドラマ『巷説百物語 孤者異(こわい)』。
 以前、『巷説』を『京極夏彦 怪』と題して四話ドラマ化したのもWOWOWだったけれども、そのときとはスタッフ、キャストを一新している。監督は酒井信行から堤幸彦へ、小股潜りの又市は田辺誠一から渡部篤郎へ、山猫廻しのおぎんは遠山景織子から小池栄子へ、考物の百介は佐野四郎から吹越満へ、事触れの治平は谷啓から大杉漣に交代。ストーリーも前作とのつながりはなく、百介は今回の事件で初めて又市たちと出会う設定になっている。
 意外に気が付かれていないようだが、『巷説』シリーズは立派な「本格探偵小説」である。不可解な謎は提示されているし、それを解き明かすためのヒント、伏線はちゃんとあるし、それが論理的に解かれもする。
 印象としては闇を扱いながらも華やかな印象のあった前シリーズに比べて、かなり暗く渋めのキャスティングになっていると思う。だからと言ってつまんなくなったかというとそうではなく、ミステリーとしてのツボはやや外しはいるものの、キャラクターの魅力がドラマのうねりは充分作っていると言えるだろう。
 又市については、最初の田辺誠一はあまりにさわやか過ぎて、「小股潜り」の名にふさわしくない印象だった。アニメ版は又市本人が妖怪であるかのようなキャラクターデザインで、面白くはあるけれども完全に原作とは別物になってしまっている。映画『嗤う伊右衛門』の香川照之は薄汚れた小悪党の雰囲気でかなりイメージに近い。渡部篤郎もかなり「胡散臭く」てよいのだが、もう一つ「軽み」があればもっとよかったと思う。だいたい悪党というものは、どこかにふざけたところがないと辛気臭くなってしまうものだからだ。アウトローで世をすねちゃいるけれども、どこか底抜けな明るさがあって、それでいて全く逆の闇もまた背負っていて……なかなかに微妙な演技力を要するのである。一昔前なら、こういう役どころは砂塚秀夫やジェリー藤尾あたりが受け持っていたものだったが、最近ではなかなか適役な俳優さんを探すのが難しい。竹中直人ならソツなくこなしそうだけれど、何でもかんでも竹中さん、というのもどうか。今回の渡部さんはこれまでの演技の流れでそのまま流した印象があって、やや物足りない。できればもう二、三回は又市を演じさせて、役を深めてもらえたらと思う。
 大杉漣の治平には文句なし。キャストを聞いたときに一番不安だったのが百介とおぎんだったのだが、意外や意外、この二人の「距離感」が実にいい具合なのである。
 ラストシーン、二人の間の「敷居」を示すおぎんに対して、それを乗り越えることができずに黙りこくる百介。おぎんは何事もなかったように去るが、そんな彼女に又市は「忘れ物は?」と問いかける。おぎんは笑って「いけすかねえやつだよ」と笑う。このときの小池栄子の表情がいい。何か一つ吹っ切れたような、それでいて切ないものを少しばかり残しているような、幼いようで艶っぽいような、不思議な微笑である。遠山景織子のおぎんも素敵ではあったが、原作のイメージには小池栄子のほうが近いのではないか。
 堤幸彦作品は『ケイゾク』がまあマシだった程度で、正直な話、これまでは惨憺たる出来のものが多かったのだが、それは主に脚本の粗雑さによるものだろう。今回もとても江戸時代人とは思えないような台詞は多々あったが(同心が「過去形で言うなっ!」なんて近代文法の知識があるのはいくらなんでもちょっとなあ)、一応、ドラマとしての密度は高い脚本を与えられて、初めて時代劇を演出したにもかかわらず、あまり破綻のない出来栄えに仕立てている。それなりに「粋な」脚本なら、その実力を充分に発揮できるのだろう。


 しげ、体調崩したまま。風邪引いた上に薬が合わなくて「気持ち悪い」を繰り返す。どうにかしてあげようにもどうしようもないので、明日は病院に行くように言明するくらいしかできないのである。

2004年03月27日(土) 作りゃいいってもんじゃない映画だってある。
2003年03月27日(木) メモ日記��
2001年03月27日(火) 今日も伏字、明日も伏字/『トランジスタにヴィーナス』2巻(竹本泉)ほか



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