天大門日記
S.Tendaimon

感激2

昨日は、朝日新聞社の手塚治虫文化賞10周年記念イベント「マンガ未来世紀」というのに行ってきました。
マリオンの朝日ホールで13時00分〜17時50分くらいまでの長い間凄い贅沢な時間を過ごさせていただきました。
内容構成はこんな感じ。

第1部『極私的マンガ事情2006』荒俣宏×いしかわじゅん

第2部『画力対決七番勝負 〜二人とも、ほんとに美大出身なんですか?』 しりあがり寿×西原理恵子

第3部、『手塚治虫から続く道 21世紀のマンガ家たち』萩尾望都×浦沢直樹×夏目房之介


私は幸運にも席が1階の最前列だったので、もう10歩と離れていない場所に諸先生方が!マイクなしでも声聞こえる!って感じで初っ端からミーハー魂全開になりました(笑)。
内容的にも凄く濃くてレアで面白かったです。

第1部では賞の審査の話が主でしたね。
2003年に新生賞を受賞した『ヒカ碁』は審査員の中に「俺の息子が好きだから!」と力技で押し切った人がいて受賞したとか(笑)、2001年大賞の『陰陽師』はマンガというよりもマンガという形で発表した研究発表のようなもので恐れ入ったとか(原作者自身が「これは俺が原作なの!?」と言ったほどの研究成果だったらしい)とか、色々過去に受賞した人たちのどこが凄かったかとか受賞の経緯とか聞けました。

第2部は気楽に楽しく。
手塚賞なので手塚作品にちなんだキャラを二人の先生方に即興で描いてもらいましょう企画。
ただただギャグ。
面白かったです。

第3部は、ここら辺が真打。…凄かったです。
手塚賞なので手塚作品にちなんだ話とか結構古めの時代のマンガ話が多かったのですが、先生方の過去の話もあったりなんかして。
「俺描けるよ」といきなり浦沢先生が009の島村ジョーを描き出したりなんてこともありました!
それがメチャクチャ似てる!
描いてる手元がスクリーンに映し出されたりして!
凄いです!009を描いてる浦沢先生を生で見れるなんて、なんてレアで贅沢なのかしら!
鼻血出そうですよ。
浦沢先生は結構おかしな方で、「大友(克洋)の魅力はねー」とまたいきなり立ってる男の後姿とかガーッと描き出して「こうすると大友になるんだよ♪」とか楽しそうに言いながら、「こういう背中の背筋とか肩甲骨で〜」とか分かるんだか分からないんだかな図解説明をしてくれたり、手塚作品のあるコマに一つの完成系を見たというから、どの辺かと思ったら(ロングのフカンなのに)「この鎖骨感っていうか、この鎖骨がこうきっちり入ってるこれが!」とかもうやたらフェチっぽくこだわってました。
それと、手塚作品に対する並々ならぬ情熱というか、よく喋る方でしたね。
浦沢先生ってもっと堅い方かと思ってましたが、意外にユニークで面白い方で、良い意味で認識新たにしましたね〜。
そして、萩尾先生も横山光輝風横顔とか水野英子風とか描かれたりしてましたが、萩尾先生の場合は「私、妄想系で、このコマで(手塚作品の1コマ)高校生の頃何日もこの二人はこんなこと言ってたんじゃないか、あんなこと言っていたんじゃないかと妄想していて〜」とか何度か妄想系と仰っていて可愛らしかったです。
そして、そんな萩尾先生を見て夏目先生が「そういう妄想の暴走形態がいわゆるBLとかヤオイなんでしょうね」と。
その通りかも…。
さすが「夏目の目」(笑)。
あ、この夏目先生この後、散々浦沢先生や萩尾先生が描き散らしたスケッチブックお持ち帰りすることにしてました。
う、羨ましい!
帰りにエレベーターですれ違ったので、勇気を振り絞って見せてもらえばよかったかしら!?(無理)

こんな感じで、その他笑える話、深い話、書ききれないほどいっぱい聞かせていただきました。
なんて濃い一日だったのでしょう。
いや、土曜日のも合わせると、近年稀に見る凄い週末でした。ふはーっ!
しばらく腑抜けになりそー…。
そういうわけにもいかないけど(笑)。








2006年09月11日(月)

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