流れていく黄金色の景色を眺めていた。 クルーザーが上げる水しぶきは 黄金色の光を反射して宝石のようだった。 疲れきったその横顔を見ながら、私もいつのまにか眠ってしまった。
レセプションへの参加。 あの人は面倒くさがったけれど、私はうれしかった。 渋滞する海岸線を走るあいだ、BMWの助手席は私のもの。
月明かりに照らされてきらきら光る海。 気だるいカラダと心地よい音楽。
去年の今ごろは、苦手だったのに。 いつから声を聞くと安心するようになったのだろう。 隣りにいるとほっとする。
でも、きっと恋なんかじゃない。
奥さんのいる人を好きになんてならない。
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