昨日・今日・明日
壱カ月昨日明日


2005年01月04日(火) 幸福な循環

 冬休み最終日。さみし。いつもの朝のごとく一連の家事をこなして、その後気がぬけてボーッと菊水丸のラジオなど聞きつつ、ビデオテープの整理をした。
 ラジオの「散々な目にあって正月どころじゃなかった人」というテーマでリスナーから電話を募るというコーナーに、銀行からおろしてきた28万円入りの封筒をゴミと間違えて年末のゴミの日に出してしまい結局そのまま戻ってこなかった、という主婦が出演してて、すんごく落ち込んでるんですだって28万円っていうと私のパートの給料ほぼ3か月分なんですよ、と言っているのを聞いてるうち、その切実さが伝わってきて気がふさいだ。
 
 気分を変えるため映画でも観ることにする。洋画でモノクロで、多少暗くてもいいからちゃんとストーリーがあって解りやすくて、長回しが少なく時空を行ったり来たりしない映画が観たくなって、ヒッチコックの「私は告白する」をビデオで観た。
 ちょっと無理あるんじゃないのその展開、と思うところもあるが、重厚かつ軽快なストーリー展開はさすがで、安心してみていられる。ヒッチコックがすごいと思うのは、例えば殺人を扱っていてもそれがただの犯人探しやトリック暴きに終わらず、登場人物全ての背景にちゃんと厚みがあり、しっかり絡み合っているところ。それと人間心理が重なり合うようなカメラワークも上手い。
 
 好きな映画というわけじゃないけどけっこう満足して、簡単に作ったお雑煮を食べてから自転車をキコキコこいで散歩(というかサイクリング?)に出かける。
 天満橋のジュンクで本でも見て遊ぼうかと思ったが、ここは3月まで改装のため閉店なのだった。ショック。生活の楽しみが2ヶ月間だけ減ってしまう。
 道も空いていて走りやすいためそのまま本町あたりまで突進して、天牛堺へ。特に何も期待せず棚を見ていたのだけれど、1500円均一台でついについについに、「映像のポエジア」を見つけた。こんなところにいたのか愛しい人よ。何度も何度も図書館で借りて(未だ読了したことないけど)、でもどこででも出会えなくて、もう半分あきらめていた憧れの本だったんだけど、めぐりめぐってようやく私のもとへ来ることになった。古本の神様ありがとう!
 とまあ、興奮したところで勢いがついて、あと2冊も一気に買って、近くのドトールで日暮れ近くまでがっつり読書。「空襲下日記」が予想以上に興味深く面白いのも収穫であった。
 
 帰ってから、ビーフカレーを作る。夜、ビデオで中国映画「スパイシー・ラブ・スープ」を観たが、時間切れのため感想は省略、また気が向いたらね。
 
・購入物:アンドレイ・タルコフスキー「映像のポエジア―刻印された時間」(キネマ旬報社)
     東松照明「さくら・桜・サクラ66」(ブレーンセンター)
     添田唖蝉坊・添田知道著作集3「空襲下日記」(刀水書房)全て古書

・朝食:バタートースト、オムレツ、珈琲、ヨーグルト
 昼食:お雑煮(大根とみつ葉入り)
 夕食:ビーフカレーライス、ポテトサラダ、ホウレンソウのバター炒め、麦酒
     


フクダ |MAIL

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