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壱カ月昨日明日


2005年01月10日(月) 気がかりな夢

 午前8時起床。ゴミをまとめて出して再び布団にもぐりこみ、10時すぎまでヌクヌクと眠る。
 今日は成人の日であり、十日戎であり、それに織田作之助の命日でもある。そういえば最近あちこちに浮気して、あんまり織田作を読んでいないなあ、と反省。須賀敦子とか島村利正もそうだけど、全集を揃えてしまうと何か一仕事終えたみたいな気になって、本棚に仕舞いこんでそれきりになってしまう傾向にあるみたいだ。

 簡単にお雑煮を作って食べてから、自転車で九条まで行く。冷たい向かい風がすごく強くて、ペダルをこぐのにいつもの倍の力が要る。たいそう疲れた。
 梅田のチケットショップで前売り券を買って、シネ・ヌーヴォへ。カフカの「変身」を映画化した、『カフカ×変身』という映画を観た。監督はロシアのワレーリイ・フォーキン。自慢じゃないけどどういう人なのか全然知らない。
 これが今年初めて映画館で観る作品になる。面白いといいのだけれど。

 雨がそぼ降るプラットフォーム、音もなく到着する列車、グレゴール・ザムザが辿るぬれた石畳、家族の食事風景、ザムザの部屋の調度品、朝方に見る奇妙に歪んだ恐ろしい夢…、などなど、冒頭の浮遊するような幻想的な雰囲気はぴったり好みで良かったんだけれど。ザムザが虫に変わる前までは。話が本題に入ってからが、ちょっとしんどい。
 アメリカ映画みたいにCGを使っておどろおどろしい虫を見せる選択肢を取り去ったら、やっぱりこれしか方法はないのか、と思って落胆した。もう少し新しい発想が出てくるかと期待したけれど、難しいのかな。「変身後」のザムザは、もういっそのこと見せないほうが良かったのでは。何を見せたところで、小説を読んで想像した「虫」には、結局勝てっこないのかも。センスはわりと良いと思うだけに、惜しい。
 
 映画の後は、大阪ドームのまわりをグルッと一周して、南堀江に向かった。「hunger」で紺のセーターを、「シサム工房」で草木染めの手袋を買った。けっこうカワイイ洋服が好きなようだ。「北極星」でオムライスを食べてから、寒風吹く中、一時間以上自転車をこいで自宅まで戻る。日はとっぷり暮れ、手先と足先がかじかんだ。辛いわ。
 家では宅配野菜の整理をして、明日のために粕汁と、レンコンとゴボウと人参の煮物を作り、大根の葉を茹でて冷凍しておく。今週も食べるために生きるぞー、という感じだ。

 夜は朝の誓いどおり、焼酎をちびちび飲みながら、織田作の全集を引っ張り出してきてひもといた。入浴後、午前1時頃には就寝。

・購入物:なし

・朝食:大根と人参と里芋と三つ葉を入れた、味噌汁仕立ての雑煮(餅ふたつ)
 昼食:映画を観る前に、リングドーナツと珈琲
 夕食:外食、北極星にて(明太子とシーフードのオムライス)
    帰ってから自宅で、炙ったスルメと鶏ナンコツの唐揚げを肴に焼酎を飲んだ。


フクダ |MAIL

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