昨日・今日・明日
壱カ月|昨日|明日
2005年03月05日(土) |
全ては、極限において最も美しい |
午前7時起床。朝ご飯を食べながら「ウィークエンドサンシャイン」を聴く。冒頭で流れたCCRが久しぶりでカッコ良く、9時に番組が終わった後、持っているCCRのCD、3枚を出してきて順番にかける。その間、洗濯や台所の後かたづけを行い、日記をしたためる。午前中はキリッと晴れた良い天気で寒さもさほど感じないが、夕方から寒気が流れ込み雨や雪が降るかもしれないとかなんとか、ニュウスで言っていた。
お昼にうどんを作る。うどん大好き。何か映画でも観ようと、だしをとっている間ビデオ棚を探索し、何を考えていたのか自分でももう思い出せないのだが何となくというかたぶん魔が差して、パゾリーニの「ソドムの市」をうどんをすすりながら観た。何年か前、TSUTAYAが「旧作100円レンタルセール」をした時、山のようにビデオを借りてきて片っ端からダビングしたことがあって、その時パソリーニも数本か撮っておいたのだった。そのうちの一本。撮るだけは撮ったが、今の今まで観ようと思ってみたこともなかった。 というわけで「ソドムの市」。とにかくボカシだらけで興醒めだ。例えば少年少女が裸で犬の格好をやらされる時、全員が折り重なるようにして餌をねだるから、前列にいる人のボカシが後列の人の顔に重なって、何が何だかわからんような状態になってしまっている。それから、権力者達の情欲をかき立てるため、金々満々のおばちゃん連中が自分の性体験を、どこまでも優美なピアノの調べにのせて語るシーンが退屈。もったいつけるわりに話の内容がしょうもないし、頼りない。 しかし、この映画で流れる音楽はどのシーンにおいても素晴らしく美しかった。目に映るものがどれほどの凄惨を極めても、美しい音楽だけは鳴りやむことがなかった。このことにはいろいろと考えさせられた。 それから、どこから集めてきたのか知らないが、出てくる少年たちが揃いも揃って美形であるのに対し、少女たちが玉石混淆なのはなんでだ。役者で最も光っていたのは『大統領』役をしてた寄り目の人。笑い顔が実に変態じみててよかった。 うどん食べながら観るには、考えることが多くて心に重すぎる映画であった。パゾリーニはやっぱり変な人だよ。すごく偉大な変人だ。
夜。「ETVスペシャル」をビデオ撮りし、西東三鬼をとうとう読了した。崖っぷちのギリギリで出会う、人と人との気持ちの交歓を描く時の、乾いた筆致が良い。全面的に降参。
・購入物:なし
・朝食:トースト、プレーンオムレツ、ヨーグルト、珈琲 昼食:ネギとトロロ昆布と天かす入りのうどん、はっさく 夕食:ひよこ豆のカレー(ほうれん草とポテトフライをトッピング)、レタスとトマトのサラダ、麦酒
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