昨日・今日・明日
壱カ月昨日明日


2005年03月26日(土) 犬の漫才師

 土曜日。晴れ。ひとり台所のテーブルに座り、珈琲を啜りながら、ジッと壁の一点をみつめて「ウィークエンドサンシャイン」のフェラ・クティ特集を聴く。これは客観的に見ると案外怖い図かもしれないな。
 番組が終わった後、台所の片付け、洗濯、紙類の整理など淡々と行う。ここでいう「紙類」とは、各地ほうぼうでもらってきたチラシやフリーペーパー、チケットの半券、領収書や請求書などのこと。放っておくと山のようにたまっていく。ここから『中国国宝展』のチケットが出てきた。新聞販売店からもらったのを忘れていた。終了が迫っているようだし、仏像を見物するのはわりと好きなので出かけてみることにする。自転車で中之島まで行く。家の窓から見ると暖かそうだったのに、いざ外に出てみると西風が強くしかも逆風で、ペダルをこぐのがちと辛かった。私の進む道にはいつも、逆風が吹いているような。

 中国の仏像の顔は、ニタリ、という感じの笑いを浮かべているものが多いな、と思う。ちょっとネチっとした微笑というか、全体的に意地悪そうな印象がある。展示されている仏像はどれも似たり寄ったりで、名前も長たらしくて覚えられないし、特にこれといって心に残るものがなかった。
 展示内容のせいか来場者にはお年寄りが多く、貸し出しのヘッドフォン付き音声ガイドの説明に、係員が奔走しているのを見ているのが面白かった。解説の声が小さすぎると文句を言い出すおじいちゃんや、ボタンの押し方がどうしても理解できないおばあちゃん、中にはヘッドフォンを耳にあてず首にかけたまま、聞こえへん、聞こえへん、これつぶれてるー、とわめきだす人もいて、まあ展示物よりも生身の人間を見ているほうがエキサイティングであった。

 美術館の人出にあてられて少々疲れたのか、頭がボウとしてきたので、阪神百貨店でお昼ごはんを食べて、塩鮭と鶏肉を買って午後遅くには家に帰り、畳に寝転んでゴロゴロしたのち、日記を書いて晩ごはんの支度をした。大根を大量に薄切りしている時、あやまって左手の親指を包丁で切った。ドンクサ。

 夜。ビデオで『風の歌を聴け』を観る。監督は大森一樹。若かりし日の室井滋が出ている。キュートでかわいい。全体として村上春樹色は薄く、平凡な若者群像劇のような感じになっている。主人公の小林薫やジェイズ・バーのマスター役の坂田明はまだはまっているが、「鼠」役の人がダメ。気合が入りすぎてて空回りしている。大森一樹が神戸に思い入れがある気持ちはわかるけれど、中華街とか元町とか神戸港とか、あまりにもベタベタと撮りすぎてて、観光ビデオみたいになっているのがもったいない。なんにしても、特にどうということのない、印象に残りにくい映画であった。

 映画の後、お風呂に入ってしばらくしてから寝る。時間は不明。

・購入物:なし

・朝食:バタートースト、レタスサラダ、トマト、珈琲
 昼食:あんにょんにて。カルビ石焼きピビンバ、麦酒
 夕食:鍋(昆布だしをベースに骨つき鶏と薄切りにした大根がメイン。あと豆腐や春菊、白菜、キノコ類など。ポン酢とごまダレで食べる)、麦酒


フクダ |MAIL

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