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今日の午後は、いつも行っているアマオケの定期演奏会があり、伯母のお通夜が行われるお寺と最寄り駅ということで、演奏会とお通夜のダブルヘッダーとなる。 お通夜なので喪服ではなく、黒カットソーに黒スーツ、黒ストッキングに黒靴といういでたちで駅まで行くとばてばて。あまりの暑さで思わずエレベータを利用してしまう。乗り合わせたご婦人が「今日はまた一段と暑いですね」と話しかけてくるのに「ええ、そんな日によりによってお通夜なんです…。」と答える。「あら」と言って私の服装をまじまじと見るご婦人。 演奏会場は近年階層したばかりのホール。こどもの頃一度行ったことがあるが、面影はもちろん残ってない。上着を手に持って黒カットソーで歩く。会場に入るとチケットもぎりで同期の男がプログラムを配っていて、私を見るなり「おお、なんだ出演者みたいな格好だな。」という。「うん、いろいろあって」と答えながらプログラムを受け取ると、ガーゼに覆われた私の親指を見てすかさず「なんだ、どうしたんだ」と聞く。「うん、いろいろあるのよ」と答える。それしか答えようがない。通路を進んでいくと案内係としてNEOさんが立っていた。横に立っている小学生の女の子はお嬢さん?でも1人しか居ないから違うか(NEO家は双子女児)などと若干混乱したまま席に着く。 プログラムは、ニールセン/交響曲第5番、バルトーク/「中国の不思議な役人」、ラヴェル/「ラ・ヴァルス」。ニールセンは聴いたことがなかったのだが、CD収集癖のある夫がたまたま一枚もっていて予習してから行った。ライブで聴くと全然迫力が違う。打楽器全般にかっこいいのだが、歩き回る小太鼓のソロが圧倒的。しばし恍惚。 他のアマオケをやりながら、毎回助っ人としてオケでステージマネージャをやっている同期の男が、曲の合間の配置換えの時になぜかタキシード姿でいると思ったら、次の曲で演奏していた(笑)便利なひと。 それにしてもこんな難しいプログラムをよくやるな、と毎回驚く。 明日からの旅行でもって行くお土産におせんべいを買い込み、母に渡すものを持ち、かなりの大荷物で駅近くのファミレスへ。ここで母、夫、義姉とそのこどもたちで待ち合わせ。義姉は一時帰国中なのでなんとなく黒いワンピース、こどもたちも一応黒い格好で参上。こどもたちにお土産の本をわたし、一同揃ったところでお通夜会場であるお寺に出かけるが、妙にハイテンションな母に振り回される。ファミレスでだらだらしていたせいもあり、途中で道に迷ったりして、開始時間ぎりぎりになってしまった。 記帳する間もなく、汗だくでお通夜開始。 伯母の夫である伯父が亡くなったときは、会社の経営をしていたこともあり、都心の有名葬祭場でやったのだが、今回は50人も入れば一杯になるこじんまりとした会場で、お焼香をあげに来た人も全て着席し、列はすぐに途絶える。逆に義理で参列している人はおらず、皆ありがたいのだが、縁もゆかりもないお寺の貸し会場で、葬儀社が雇ったその場限りのお坊さんにお経をあげもらい、通り一遍のお説教を神妙な顔をして拝聴するのは、本当にそれでいいのか?と思わせる。 喪主である従兄が立派だったので、きっとそれを目を細めて眺め、一番自慢に思っていたのは他でもない伯母自身だったろうと思う。私たちは子供がいないので、先に逝ったほうは送り出してやれるが、残ったほうはどう処分してもらうか、やはり今から考えておかないといけない。自分たちのお葬式の形を考えさせられる結果となった。 精進落としは、こじんまりと親族集まって和やかに時間が過ぎる。こういうときに話の中心になっていた伯母が居ないのは不思議だと言い合って笑う。伯母の孫やひ孫にあたる若い世代が、華やいだ気分にしてくれる。
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