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2007年10月08日(月) とらわれぬ人々

とあるブログを読んでいたら、今年の小林秀雄賞を受賞したとあり(この時点で全然「とある」ではないが、あえて名を秘すアッコちゃん)、式の様子が書かれていた。列席者にはご本人が招待した(よくブログにも名前が出る)知己の面々とか、「『生ける文学史』のような出版人」たちの描写などがあり、なかなか興味深かった。

ふむふむと思いつつ読み進めていくと、「小林秀雄の著作権継承者である白洲明子さんにご挨拶をする。」とあり、さらに「白洲明子さんは白洲次郎と正子ご夫妻のお嬢さんである(知らなかった)。」と記述してある。まてよ、確かに白洲夫妻に娘はいるが結婚して姓が変わっているはず。それに小林秀雄との関連がわからん。
googleで「白洲明子」を調べてみると、検索結果の中に「父・小林秀雄」 という文字がある。とすると白洲夫妻の娘ではなく小林秀雄の娘ではないのか。しかも「アキコ」ではなく「ハルコ」と読むのだなぁ。さらに見ていくと、「娘の明子さんが白洲兼正と結婚」と記述してあるサイトもある。ということはつまり小林秀雄の娘が白洲家の一員と結婚して、白洲明子になったということではないか。
ざわつくパーティーの席上で口頭で紹介され、それを勘違いして理解してしまい、あげくにwebで発信してしまったということになるらしい(しかもgoogleの検索結果では、その間違い記述が本日現在堂々6位にランク入り。)あげつらうわけではないのだが、ちょっと調べたら便利なサイトがたくさんあるのに、この博覧強記の人がなぜその手間を省くのだろう。たとえばこんなのとか…。

「白洲次郎 白洲正子 近現代・系図ワールド」http://kingendaikeizu.net/sirasuzirou.htm

白洲正子や小林秀雄に関する著書をものしている白洲信哉氏のご母堂にあたるわけだ。白洲信哉氏、つくづく知のと芸術のサラブレッドとも言うべき血筋なのだなぁ。

で、明子氏の夫にして白洲夫妻の息子である白洲兼正氏は何をしているかというと、上記サイトによると「シーアフェアーズ社長/次男」となっている。いったい何をする会社?と思ってさらに調べを進めると、葉山にあるカヤックの輸入販売店らしい。その会社のページには「週末は海上或いは海岸に出ております。」などと書いてあり、おそらくごく少数で運営しているところなのだろう。素人臭いデザインのページを眺めながら、サンフランシスコ講和条約の立役者の子息がこういうところで海風に吹かれながら気ままな「おやっさん」稼業をしているのかと思うと、やられた!と思う気持ちが強くなった。
この中に「古希カヤッカーの独り言」というエッセーがあるのだが、この文章がまた自由闊達で知的で小気味いい。

「シーアフェアズのホームページ」http://www.c-cayak.com/


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