WELLA
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2007年12月02日(日) 秘密のお店

先日、オンライン古書店で本を注文したときのこと。
加入している各書店がそれぞれ自店の在庫データを出し合って検索できるようになっていて、注文後は直接各書店から連絡がくる。全国津々浦々の書店が集まっているので、思わぬところの書店とやりとりすることになる。
目当ての本を見つけた後、支払い条件などを見ようとして驚いた。店の所在地が隣の町内になっている。この辺に書店があったか、と考えて、Google mapで確認すると、いつも行っているスポーツクラブとうちのちょうど中間地点ぐらい。ますます近い。そういえば、この場所に古書店があったような気もする。昔は小規模な商店街だった面影は残っているのだが、次々と店じまいして今は文字通り仕舞た屋が並んでいる辺りだ。お蕎麦屋さんみたいな造りなのに、ショーウィンドには丼ではなく本が飾られているのを見た記憶がある。ちょっと前に店子が変わったと思っていたが、あれか。とても営業しているようには見えない。上はアパートのようだが、奥のほうででも営業しているのだろうか。
狐につままれた思いで注文を送信しておくと、翌日、先方から確認のメールが来た。確かに在庫があることと、近所なので郵送ではなく直接届けてもいいと書いてあった。店の営業時間は不定期で、週末のこの時間帯なら店にいるという。どうせスポーツクラブに行くので「取りに行きます」と返信しがてら入り口はどこにあるのか聞いてみると、折り返し来たメールには「シャッターを半分開けておきます。」
というわけで、今日、午前中にさっそく本を買いに行ってきた。近づいていってみると、果たしてシャッターが開いている。変わったと思っていた店子は実はその隣で、長らく空いていたところに新らしい店子がはいったのだった。蕎麦屋風の引き戸を開けると、中はどう見ても普通の古本屋。児童文学がやや多いか。声をかけるとニコニコと愛想のいい女主人が奥から出てきた。お客さんから連絡があるときぐらいしか店は開けないのだという。ふらりと立ち寄るのが書店の味だとすると、連絡してから開けてもらうというのは、プレシャーがあるな。お金を払って商品を受けとり、ちょっと秘密めいた思いを抱きながらお店を後にした。


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