なんとか日記
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2004年06月09日(水) ジロデイタリア 第16ステージ

とうとうはじまった山岳、サン・ヴェンデミアーノからファルゼスまでの215km。第16ステージ。
「今年はTTと山岳が始まってからが本当のジロ」、TTも終え、今日からまたリスタートというような気分。
何故山岳が山場になるのか?それは平坦スプリントと違ってタイム差がつきやすいから。
平坦ではトップと3位の差が2分以上あるなんてことはもうほとんどありえないのだが
(ごくたまにミラクルアタックが決まることもある。でも分単位での差は殆ど無い)
山岳では平坦ではどうあがいても逆転しようがない猛烈な差がついてしまうのだ。
だから、ファッサのペタッキがスプリント勝負でいくら優勝を重ねても
山岳でものすごーく差がついてしまうのでマリアローザは取れない。
ペタッキの場合、狙っているのは優勝回数更新とマリア・チクラミーノのみで、山岳はグルペットでてきとーに登る。
ちなみに同じスプリンターのマキュアンはさっさと昨日でリタイア。
ロードレースでは'計画的な'リタイアというのがあり、今回のマキュアンはツールに備えるためのリタイア。
若い選手はグランツールを丸々走ると完全燃焼して燃え尽きてしまうので、スタートからリタイア前提で走ることも多々ある。
はじめから走る予定だったのに、力尽きてリタイアとなってしまう場合は
選手にかなりの精神的ダメージがあるのだが、(その場でゼッケンをはがされてしまう)
'計画的'リタイアの場合はそんなにみじめな感じはしないのだ。
(ただ今回のマキュアンは、平坦でいいとこがあまりなかったのでちょっと微妙。)

山岳で真剣勝負をしなければならないのがマリアローザを狙う山岳系のエース。
山岳で遅れたらもうマリアローザは着れません。大本命はサエコのエース、シモーニ。
しかしTTで逆転したランドバウクレディトのポポヴィッチが今のマリアローザ。
ポポヴィッチはマリアローザをどこまで守れるのだろうか?

1番目、2番目の山岳は先頭集団にいるゲロルシュタイナーのウェヒマンがポイントゲット。
この辺からグループマリアローザも徐々に活性化。サエコがスピードを上げた結果、ポポヴィッチのアシスト、ジャッキー・デュランも脱落。
ポポヴィッチはアシストが誰もいなくなってしまった。
シモーニがアタックするも、ポポヴィッチがマーク。集団に吸収。
吸収されたところで同じサエコのクネゴがアタック。直前にシモーニと監督が何やら話している模様。作戦なのか?
クネゴのアタックが決まる。山岳エース達はシモーニをマークしているので
優勝したとは言え、若いアシストのクネゴのアタックは見送った。
一方、先頭を走っていたサエコのアシスト陣はクネゴが追いついてくるのを待ち、
クネゴと合流したところで引っ張り、スピードが緩んでいた先頭集団を続々と抜いていく。
最後まで粘って先頭で走っていたエバーゾルトも抜き、とうとうクネゴがトップになった。そしてクネゴ独走!
エース絶対のロードレースなのに、アシストのクネゴが勝つのか?シモーニはああ?
結局ね、クネゴが勝ちました。しかも大差で。で、マリアローザはなんとクネゴ。
今日の2位はアクア&サポネのノチェンティーニ。おつかれ。

インタビューでわかったことですが、
まずクネゴがアタックして、誰かが追いついてきたらシモーニがアタックという算段だったようです。
でもクネゴのアタックが決まってしまったのでそのまま独走させたということ。
サエコのチーム力の高さが伺えるレースでした。だってポポヴィッチなんていきなりアシストいなくなってるし。
クネゴもシモーニも「チームの勝利」とニコニコしてましたね。
何気に総合2位はゴンチャール。がんばれ、ゴンチャール!


shimizu |MAIL