なんとか日記
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2004年06月22日(火) ツール ド スイス 第三ステージ

ロードレース好きでこれを見逃した人は、月に代わっておしおきされるんじゃないか。
ロードレースの醍醐味を感じられる非常に面白いステージ。

にわとりが鳴き牛がひっくり返っている(本当にそこら中の牛がひっくり返っていた)のどかな一帯。
少し前まではチロルっぽい風景でしたが、フランスの国境が近くなってきているので、風景がフランス風です。
集団から飛び出した5人。
ファッサのオンガラート、フォナックのラスト、クイックステップのヴァンホーレン、
ラボバンクのハンター、ミスターブックメイカーのワイツ。
オンガラートはファッサを引き続ける強い人で、調子がいいラスト、若いヴァンホーレン、ハンターは地元、実績あるワイツ。
この5人は総合にからんでこないので、プロトン(ドイツ的にはFELD)は追いません。
残り40キロで10分の差。まぁ何かあれば追いつけないわけではないが、もう無理かな?という大きな差。
ここは4級3級と続く登りゴールなのですが、先に逃げた5人にこれと言ったクライマーがいません。
つまり、彼らの登りの力は拮抗しているということであり、誰がゴールを切るのかまったくわからない。
ハンターなんてスプリンターだし、山岳で勝ったら本当におもしろいんだけど。
マキュアンも完全にお休みでしょう、このステージは。
さて、ゴールまで残り5キロ、ポストファイナンス通過後5人が活性化。
ハンターとワイツが逃げる。しかしこの逃げはすぐに吸収。
そこで4キロ地点、再度アタックしてハンターとラストが逃げる。ちなみにラストは漢字のタトゥーを入れているらしい。
マッサーの中野さんの日記にも漢字タトゥーの記述が。「台所」ってタトゥーの話をしてたのは誰とだっけ?
まぁ台所はいいとしてトップを走る二人。なんか走っている所をみると
千切れてるアシストにしか見えないんだけど、これはトップ。ええトップ。
トップクライマーの映像ばかり見ていたので感覚が麻痺しているけど彼らが現在のトップ。うん。
どっちもきつそうなので、果たして一体どちらに余力が残っているのかわかりません。
ここからが微妙な心理戦の始まり。川井ちゃんがよく言うように三味線弾いたりするんですね。
疲れたフリとか、心拍数あがってるフリとか、逆に疲れてないフリとか。
ハンターがゴニョっと何か言っています。励ましてるのか?
もしかして山岳ポイントを譲ったので、ゴールは俺様がもらったとか言ってるのかもしれません。
ラストからしてみれば相手はスプリンター、いくら余力がなさそうとは言え残り一キロのこのへんでちぎっておかないと
スプリント勝負にもちこまれたら辛いでしょう。逃げろ、ラスト!
沿道では牛がまだ横たわっています。暑そうです。
牛と悪魔おじさんに気を取られていたら、ハンターがダンシングでスピードアップ!
平地用のいいギアを入れています。さすがスプリンター。
もう疲れてるのか作戦なのか限界なのかよくわかりませんがハンターが狂ったようにまわしている。
ラストもうだめ、追いつけません。
ガッツポーズで南アフリカ出身(もちろん白人)ハンターが優勝。4時間5分7秒。
がっくり&ぐったりのラスト。まぁ4時間以上も走ったのに最後の1分で抜かれるというのはがっくり来ますね。
遅れてきたヴァンホーレン達もかなり辛そうです。
解説陣は「カールルイスにマラソンを走らせているようなもんだ」と古い喩えをしています。さすがおじさん。ああ、おもしろいレース。

さて後方のプロトン。
途中ではショコラードジャックが突然引き出してTモバイルに恩を売っていましたが、
「もう僕達この辺でやめる」と登りに入ってTモバイルにバトンタッチ。
登りはグエリーニが強烈に牽いています。
通過したヘロヘロ先頭集団の登りと比べるとべらぼうな違い。さすがプロ。
悪魔おじさんもぴょんぴょんして喜んでいます。
ゴール手前で活性化、ツールドスイスは賞金が結構いいらしくて、3位以降でもスプリントしてきます。
まずザンピエーリがスプリント、フォナックのモースも不発。
あら?集団で勝ったのだれだっけ?忘れた。
記憶に残ってるミラネサ三人組が仲良く遅れていたことくらい。
覚えていないってことはきっとたいしたことじゃなかった。まぁいいではないか。すごく楽しかったのだから。


ちなみにヴィノクロフの落車はツールが危ないくらいの症状で肩を痛めている模様。落車は怖いね。
ウルリッヒくんのツール優勝に暗雲か!?


shimizu |MAIL