囁き
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2001年07月08日(日) 逢う

 久しぶりにあった『彼女』は、変わっていなかった。日帰りで時間もなかったせいもあるだろう。身体を求め合い、飯を食い、そして求め合った。飛行機の時間に遅れそうになるほど、ね。
 とはいえ、偶然も作用しただろう。ペットボトルの茶がこぼれた。そして、再びホテルに入る。
 去り際の慌しさのせいか、淋しさはさほど強くはなかった。けれど、少し悲しみは残る。最後に、惜しむことが出来なかったという。
 逢っている時の半分を過ごしたとき、もう悲しみはあった。あと何時間しかいられない・・・と。けれど、目の前に別れを置いた淋しさに比べれば、途方もなく小さいもの。それが、僕の『彼女』への愛を、僕自身に教えてくれるものだった。勿論、勘違いかもしれないという恐怖は、いまだについて回る。いや、勘違いかもしれないというものは、存在や思考を含めた、全てのものに付きまとっているけれど・・・
 共に過ごした時が短いから、朝目覚めたときの『彼女』の顔をみていないから、淋しさも少しは少ないのかもしれない。
 帰り際の、彼女の拗ねた顔が好きだった。僕を愛してくれていると、側にいてほしいと思ってくれていると思えたから。今日も、時間が少ないと拗ねていた。嬉しかった。
 必要とされることを望んでいるのだろうか?ふと今、そう思った。真相は、僕にもわからない・・・けれど、そういうものも、きっとあるだろうとは思う。それだけではないだろうけど。僕は、必要としているだろう。強く『彼女』を。それが、負担にならなければいいと、何時も思う。そして、愛されているという思いが、僕を優しくさせてくれる。

 彼女の拗ねた顔が好きだ。


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