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2004年01月26日(月) 畑正憲著「海からきたチフス」

 古本屋で買って「海からきたチフス」を読んだ。
 カバーの印刷で「¥180」となっている。(それを100円で買った)
 おっ、古いなと思い奥付を見ると「昭和48年10月30日 初版発行」とある。
 これは文庫版なので、実際の発表はもっと以前ということになる。おそらく昭和44年頃だろうか。
 内容はSFなのだが、発表からこれまでの時間の経過によってフィクションではなくなっている部分もある。また、それよりもサイエンスの謎解きが進んでいる部分もある。
 が、こんな昔に書かれた本なのに古さを感じさせなかった。おもしろかった。
 こんなくだりがある。
 「ご存知のように人間は、最も進化した複雑な生き物です。しかし、複雑になるだけが進化でしょうか?わたしたちは、逆のことも考えたのです。つまり、逆進化・・・単純なものへの移行です」
 人間には自我がありますが、自我を持たない、自我を捨て去った生き物もまた逆の意味で進化していると言えるのではないか?ということ。
 んー・・・現代に生息する意味不明な言葉を操る彼、彼女らを見ていると、こいつらに自我なんてあるのか?と思うときがある。パラサイトじゃないのか?と。
 そうか、これも進化か・・・なるほど、日記に書いておこう。笑

 以前にもこの日記に書いた記憶があるが、俺は本当に本を読むことが大嫌いだった。
 夏休み、冬休みなどに「読書感想文」の宿題を出されることの苦痛ったらなかった。脂汗が出たものだ。
 それがいきなり本好きとなり、活中となったのは中学3年の時に読んだ「刑事コロンボ」が無性におもしろかったから。
 通常の推理モノは最後に謎解きがあるが、刑事コロンボは最初に犯人を明かす。その、普通と違うところと、潔さにはまった。
 俺らしい。
 そんな頃、畑正憲の私小説も図書館から借りてよく読んだ。東大生をやっていた頃のはちゃめちゃ話が書かれたそのシリーズモノは、少年の俺を捉えて離さなかった。
 何というタイトルだったのか?忘れてしまったが、見付けてもう一度読んでみようと思う。





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