必然の結果。 - 2002年10月02日(水) 人生は必然の結果であって、 “あのときこうしていれば”という選択肢は有り得ない。 …というような内容の文章を読んだ。 それは、そう。私もそう思う。 私たちは大きなことから小さなことまで あらゆる場面で選択しながら生きて暮らしているわけで その際、その場その場のベストを選択している。 どっちも選びたくて、且つどっちでも選べる、なんて そんな呑気な選択肢はまあないし、 明らかに不利な選択肢を望んで選択することもないからだ。 不利な選択肢を選択せざるを得ない、というシーンはあるだろうが それは“選択せざるを得ない”という時点で そのときその条件の選択としてはベストなはず。 なんでこんなことを今更のように思っているかというと 今日初めての調査結果が明らかとなった拉致問題が発端。 某作家の「そんなに悲劇的か?」という発言に関して 人生における選択を自分でしたかしなかったかは大きな違いで、 抗えない力によって大きな選択を勝手にされたことは それだけでどう考えても悲劇だろう、と。 その中で見つけた幸せなどは 普通に生きてても得られたはずの幸せなので論外。 …と、まあ、思っていたのだ。 さてその拉致問題。もう見慣れた光景だけど、 遺族側は相変わらず怒っていて、報道する側はどっちつかずだ。 最近は遺族側の発言も正直気になる…。 なにを言われたって、納得なんかできんでしょう?って話です。 奪われた家族が、なにも変わらぬままに 戻ってきてくれない限り納得なんかいくとは思えない。 でも、そうならないことは明らかなわけです。 これだけの歳月が経って、 「帰国できるならすぐしたい」とも言えない (或いはほんとにそう思えない)、 そういう状況に奪われた家族は居るわけで、 その人たちはすでに奪われたときの彼らではない。 実際に会って、 本人たちの口から「帰りたくはない」と言われたら それで納得するのかといえばそうでもないだろう。 どうも「信じたくない」と「信じられない」が ごっちゃになっているような気がする。 発表には確かに辻褄の合わないことは多い。 今日発表の2度の火葬に処した遺骨だとか 事故死の割合の高さだとか。 でも遺品がないとか、お墓の場所が不明とか、 不自然じゃないことまで不自然だと糾弾してしまうと ポイントを絞っての究明ができなくなってしまう。 拉致してきた外国人が死亡したときに その遺品がないことが不自然? 遺品を残しておくのは 亡くなった人を大事に思う人がいるからこそで それをすべき家族は日本に居たのだから 本当に亡くなっているとしたら まとめて捨てていて当たり前だろう。 お墓が総じて水害で流されたことになっているけど 北朝鮮での大規模な水害は事実なのだから 有り得ないことじゃないと思う。 流されたお墓の復旧に手が回るような 経済事情でも社会事情でもなかっただろう。 ましてや、攫ってきた外国人のお墓を 誰がわざわざ土砂の中から探すわけがない。 そんなことをしてくれる国なら そもそも拉致なんかしないだろう。 「そこらへんに穴を掘って埋めました。 場所なんか、もう分かりません」と、よく言われなかったものだ。 では、太平洋戦争のときに 日本人が朝鮮半島から強制連行してきた朝鮮人の人たちは? 強制連行と拉致は違うの? 強制連行は良くて、拉致はいけないことなの? 認められていない行方不明者を入れても 強制連行してきた朝鮮人の数には満たないのではないだろうか。 あのとき、日本は彼らのお墓を作ったの? 遺品を残しているの? 亡くなったときの状況を遺族にちゃんと伝えたの? 歴代首相や天皇が、数回、 「反省の意」を表明しただけで終りにしたつもりでいるんじゃないの? 「私たちは真実を知りたい」と彼らは言う。 でも、何を以って真実というのか。 科学的実証、とひとくちに言うけれど、 存在するものの正体を科学的に証明することは出来ても 存在そのものを科学的に証明することなんか出来っこない。 知ることのできない真実は、どうしたって存在する。 無理なことだけをひたすら求めるのではなくて 併せて実現できそうなことを求めていくことも必要なのでは? どうしたって、許すことも、怒りが収まることもないのだから。 取り返しのつかないことも、あるのだから。 ある程度まで分かれば、 或いは分からなくても、心からの謝罪を求め、受け入れ、 今後は同じことを繰り返させない国作りをさせるということも あっていい選択肢なのではないのだろうか。 興味深いのが報道側の姿勢。 たいがい、世論操作とまでは言わないけれど、 有り体に言えば「どっちかの味方」的な姿勢で 大概のニュースは報じられるのに ことこの件に関しては 遺族の言い分の放送はするが、 さして遺族側の主張に立って究明の必要性を声高に叫ぶでもなく 政府のやり方を擁護するでもなく 強いて言うなら遺族側に立っているか?とは感じるけれど 外交的には意義があった、というのも弱々と伝えているし。 個人的にはもう、外交と拉致問題究明は いっそ切り離した方がいいだろうと思うけれど。 ただ、外交=支援ではないだろうから 支援と拉致問題究明は交換条件として 北朝鮮側の情報提供を求めつづけることは肝要でしょう。 でも、北朝鮮の話を聞きに行くだけじゃダメで それこそ探偵でも送り込む勢いで。 お墓が流れたというなら 土砂の跡が残るはずのその場所に行ってこい! 関係者が居なくても土を浚うぐらいのことはして 政府関係者以外からも足で回って聞き込みして来い! (それでも何かが得られるとは思えないけど) 大体、被害者の顔写真や失踪時の状況は 何度も何度も報じられているけれど、 知りたいことはちっとも報じられないじゃないか。 なんで、調査期間がたった3日になったのか。 拉致を指示したとする犯人の引渡しを要求しないのは何故か。 (どー考えても国家犯罪だけど、 軍関係者の暴走、という発表に異を唱えなかったのであれば 個人単位の犯罪として要求すべきことをしたら良いんじゃないの?) 長期教化刑ってなに? 調査結果だけでなく、調査方法の報道がないのはどうして? どこでどうやって調べて、誰から話を聞いたのか。 結果やら当事者の感想ばっかりを ワイドショーみたいに報道しているから 報道される側は考えることをしなくなって 結果風化していっちゃうんだよ。 青森の住宅公社の横領だって 私が1番知りたかったのって 「14億横領しててもばれなかったってことは そんだけ県民からお金取らなくても やっていけるってことじゃないの?」ってことなのに そこ突っ込んで取材してた番組見たことないぞ。 あの心底むかつくチリ人妻なんかどーでもいいのだ。 怒ってるに決まってるんだから県民の声も拾わんでいい。 チェック体制の不備をつくのはどっかでやってたけど お詫び言われて引き下がってくるなよ・・・。 ...
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