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2001年03月15日(木) 聖なる杜

本日、久方振りに明治神宮の杜に分け入る。
南からの暖かい風が帝都に初夏を思わせる気温をもたらした。
風に飛ぶ積雲が聖なる杜の木漏れ日を水流のごとく流す。

この杜は大正年間に明治天皇鎮魂のために造られた人工の杜。それも数百年先の森林層を設定した遠大な構想だったという。
無論、それは表層的な解釈で真の目的は別にあった。
この國の魂を邪教のあらいる攻撃から守らんがため、帝都を聖なる結界場として構築することにあったのは疑いない。八百万の神のエネルギーを帝都に収束するには精霊宿る深い杜が必要なのだ。
構築から70余年・・。
そしてそれは証明された。この平成期に至って激烈さを増す邪教徒の攻撃にもこの杜は何の影響も受けず、杜に宿る神々は我々に永遠なる平安を約束する。
明治神宮の杜は正に神の補完計画そのものだ。
今、我々皇太子世代はこの偉大なる事業を見習い、新たなる聖なる事業「人類補完計画」に着手する必要があるのだ。
曾て杜と神は同意語だった。
杜の木々は枯れ堕ちても次世代の苗床となり永遠なる魂の循環を形成する。
我々もまた同じく永遠の輪廻の中でいずれ苗床に過ぎぬ存在。
そのために価値ある殉死を選択する時に来たのだ。
それが「人類補完計画」に殉じること。

落ち葉がクッションのように堆積した杜の深部で身を委ねているとポケットラジオから世界同時株安のニュースが流れ出す。
邪教世界の崩壊がゆっくりと始まっている。金銭に操られた邪教徒に仕えし者の末路に救いはない。
この聖なる結界で守られた杜と同化することのみが唯一真の救いなのだ。


絶望皇太子