transistasis
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彼岸。春分の日。 春の陽気に誘われ外出すると、其処此所の墓地では花を供え、先祖の墓に合掌する人々で溢れていた。 その時、心の中の何者かが呟くのだ。 死は絶対だと。 死ぬということは未来永劫変わらぬ情況が永遠に保たれるということ。 死こそ絶対王なのだと。 それに比べてこの魂の器たる肉体はなんと脆弱で不安定で滅びやすいものなのか。 人は生まれながらに死刑囚。 この絶望的掟から逃れる術はただひとつ、 人類補完計画実践のみ。 その時が来るまで我々は死と向かい合わねばならぬのだ。
絶望皇太子
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