日々日記
いちらん…ふるい…あたらしい
閉館1時間前の 夜の図書館は 静かな緊張と見えない情熱とが 隅々まで満ちていて
その空気を吸うと 以前より物覚えの悪くなった わたしの固い頭も
すこし柔らかく瑞々しくなったような 気がする
時折静かな咳払いと 紙がめくられる音と キーボードを叩く音が 聞こえてくるだけで あとはなんの音もしない
その静寂の中に 確かに感じとれる彼らの情熱
一点に向かい真剣なまなざしを注ぐ 彼らの横顔は 男女の区別をこえて みな一様に美しくて
あまりのことに ごくんと息を飲んだ
その音がちょっと大きかったかなと あとで心配になるくらいに 彼らの姿はほんとうに美しくて
わたしは 今更ながら えらいとこにきてしまった と、いたく感動したのだった
inu-chan
|