日々日記
いちらんふるいあたらしい


2008年11月23日(日) 精神の分水嶺 何を軸に生きるか

気持ちが完全に先走った日記なので意味不明かもしれないです。
あしからず。


「ほぼ日刊イトイ新聞の本」を手に取る。

すごいよすごいよこの本は。

アマゾンで中古品を買ったのだけど、新品を買って敬意を示したかったと思うくらい
わたしが以前の大学を出て意に染まない仕事をやってた8年間に疑問に思っていたことと
本の内容とがけっこう被ってるのだ。


競争したくない、とかね。
勝ち負けとか、どうでもいいのよ。

自分をとりまく世界の「こうあらねば」と、自分との乖離を感じ始めてた自分にとって
この本の糸井さんの考え方は砂漠のオアシスとうか、世界で初めて見つけたアミーゴというか、
ほっとした。

こうやって考えてる人が他にもいるんだという。
わたしの倍生きている彼の方が、数倍、数段、進んだ先にいるだろうけど。


身の丈にあった生き方で、十分今を楽しみながら生きたい。


そうでなきゃ、生まれて来た意味がないでしょ。って、
思ってたけど、宗教的なバイアスがかかっててなかなか明確な形にならなかったものが、
こう、一気に具体化してしまった。


そういう理論体系(宗教)に則って生きたい人はそうすればいい。
そうしたくない人は、そうしなくていい。

自分自身に聞けばわかる。わたしにはそれはできない。



世界は広い。広くて広くて掴みきれない。
いろんな人がいて、いろんな人生を歩む。

そしてどんな人がいてもいいし、どんな生き方だってありだ。

誰かを故意に哀しませたり、苦しませたりするんじゃなければ、
思うのも、行動するのも自由で、誰にも止められないのだ。



最近、許しについて考える。

たとえばキリスト教では自分の犯した罪を懺悔することで神に許しを乞う。
神じゃなければその罪を許すことはできないし、神と人を繋ぐ役目を担うのは聖職者である。

しかし、神じゃなくたって許しができる事に気付いた。

小さな「すねに傷」をいっぱい抱えて、誰もが生きて行く。
でももしそれら全てをいちいち取り上げて正邪を下していくとしたらぞっとする。

ネットで時々起こる炎上とか、まぁたしかに間違いを起こした本人が悪いんだけど、
自分のことを棚に上げてターゲットを吊るし上げる人間の多いこと多いこと。

でも、自分の周囲の人たちだって、自分を許してくれているんだよということに気付くと
何かが少し変わるんだ。


わたしは他者に「相手の裏切りも含めての信頼」を置くことにしている。
相手から見てわたしを絶対裏切らないなんてこと、自分に照らして考えても不可能だから。

だけど、信頼する以上は本当に信頼するよ。心から。
それと同じだけ、相手が裏切ることについてもあらかじめ想定しておくの。

人なんだから、魔が差して取り返しのつかない間違いを起こすこともある。
気持ちの上では信頼してても、状況が許さない時だってある。
あと、もうどうでもよくなっちゃう時だってある。

それが人なのよ。


だからこそ、絶対とか永遠とかがもてはやされる。


でも考えてみると、いい加減の権化みたいなもんでも、許されて生きて来たのだ自分は。

家族や親族や友人や近所の人や同郷の人や、仕事の付き合いの人や、もうありとあらゆる人に
失敗やら間違いやらをやっては、それらを許されて生きて来たのだ。

許したつもりはないという知り合いもいるかもしれない。

でも、不問に付す、とか
あえて問いたださないことにする、とか、
なんだあいつは、って思うけど思うだけで何も言わないとか、
呆れたから縁を切ると言われたり、思われてることとか、

それらを許しだと捉えると、なんだかしっくり来るんだな。
そうされたことが後ろめたいから思うんじゃないよ。

だからって、こちらが卑屈になったり、相手を憎んだりはしない。
人目がどうでもよくなり、全然気にしなくなったからこそ可能になった考え方だと思う。

まだ説明はうまくできないんだけど、そんなようなことを最近思っている。


それと平行して、自分も他人を許す生き方をするようになってきたな、って感じ。

気にならなくなった。

自分と違っても、全然噛み合なくても、まぁ、いいじゃないか。って。
もう呆れるやらうんざりするやら、情けないやらだとしても、ま、いいじゃないか。って。

でもそれは相手の声に無反応なわけじゃなくて、ちゃんと話しを聞いてるし、
向き合ってもいる。本の言葉を借りれば、寄り添ってるというのか。



あとは、もうね、なんでもそうなんだけど、
自分に必要ならばやればいい。
どんなに必要性を説かれても、自分に必要じゃなかったらやらなくていいよ。


本の中の、ほぼ日は「出入り自由の宗教」みたいなもんだ、ってくだりに
深く深く頷いた。

「出入り自由」うん、それだ。


inu-chan