日々日記
いちらんふるいあたらしい


2009年03月08日(日) 脳死と臓器と親とわたしと

父親の転職に伴って、保険証がまた変わった(よく変わるー)。

かく言う私は父の健康保険の、被扶養者なのでありますが、

こんどのは、保険証の裏に臓器提供の意志について
記せるようになっているではありませんか。


わー。
急にきたわー。

オロオロ。オロオロ。

だってそんなの、
その時になってみないと、わからないじゃないか。

でもその時になったらもう、
自分じゃ自分の気持ちを言えない(;_;)。

うーん…、だから今決めとくのか。


信仰上というか、教義上は、臓器提供はNGだと叔母が言ってたなぁ。

しかし、脳死の人から臓器を取り出し、
必要な人に提供し、役立てることは、生命尊厳の教義上、必ずしもNGではないだろう。


だーけーどー、
臓器を提供した当の本人は、もうそれを喜べないんだよなー。


自分のことだけど、なんだよ、全然自分で決められんぞ…!


親に電話をする。

父は、「お前の好きにせぇ」という。

でも、このカードの提供欄に○をして、その意思(遺志?)に従って
臓器を取り出されるときというのは、

わたしはもう心停止か、脳死で、いろんな判定基準をクリアして「死んだもの」
とみなされた時だ。


しかし、目の前で機械に繋がれて呼吸をする娘が、
もう二度と目を開けないのだと、死んだも同然だと、果たして親がそう思えるだろうか。

そしてしつこいけど、
そのときの私には親に自分の気持ちを説明し、
臓器移植に同意するよう説得することはできないんだよな…。

困ったね。
あなたたちに作ってもらって育ててもらったこの体をどうするか、
それを私の意思で決めちゃっていいのかと思うよ。というと、

母はとまどっていた。

わーん。わーん。


生きている自分の意志としては、臓器提供は有り。

でも遺された両親(いや、母親だな)の気持ちを思うと、無し。

うぅう。いきなり来たから、面食らっちゃった。
この答えは、そう簡単には出せないわー。


「死」って必ず来ることなのに、
なんでこんなにいやな気持ちがまとわりつくのか。
なにがこんなに怖いと思わせるんだろう。

自分が死ぬということは、
よく寝たままもう絶対起きないことだと思えばまぁいいけれど、

残った人がどう思うかってことまで考えさせるなんて
一体どういうカードなんだよー。わーん。


inu-chan