どこかの家。 広くて、光のよく入る家だった。 姉と二人でいる私。
ふと見ると、隣の部屋に、見たこともないくらい大きな蜂が一匹飛んでいる。 黄色い毛が細かく生えて、黒い線の入った蜂。 私は、騒ぐより前に、こっちの部屋に飛んでこないように、ふすまを閉める。 でも、なぜかふすまの幅が、全部少しづつ足りなくて、どうやっても、5cmほど開いてしまう。
それを見ていた姉が「どうしたの?」と聞いてきたから「あっちの部屋に蜂がいる」と言うと、姉は、それを確かめるためか、ふすまを開けてしまった。 私は、「あぁ、蜂が来るよ!」と叫んだけれど、結局、その蜂はこっちの部屋に入ってきて、私の頭のまわりを飛び回った。
うずくまる私の、耳のあたりをぐるぐる回る蜂。 叫ぶ気力もなくなる私。
|