どこかの家。 囲炉裏のある部屋で、ねっころがって新聞を読んでいると、父と姉、それからあともう2人(知らない人だったように思う)の、計4人が、帰って来たのか、広い土間に立っていた。 私が「おかえり」と言うと、姉は何も言わずに、私に持っていた白い紙を見せる。 そこには、私が不治の病(病名があったのだけれど、忘れてしまった。カタカナで4文字か5文字)にかかっている可能性があると書いてあり、姉の検査結果が出ないとはっきりした事は言えないが、ほぼ絶望的だというふうにある。 それを読んで、私はその、「姉の検査結果」という、少ない望みにかけて、毎日を過ごす。 入院とかはしなかった。 今まで通り、家族と暮していた。 けれど、やっぱり、自分は死んでしまうのだと心の中で思い続ける生活で、ある日、父の前で、「死にたくない」と大泣きしてしまう。
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