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熱血青春日記(癒し系)
ゆう
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2005年03月28日(月)
模擬授業

やれやれ、今日もやっと授業が終わったよ、もう死にそうだよ、と言いながら職員室に帰ってくるなり机に突っ伏して、塾長はまだ教室でなんかやってるし、このまま軽くプチ死んだふりでも個人的にしていようかと思っていたら、後輩の講師がやってきて、模擬授業をやってほしいと言う。
模擬授業というのは講師同士で授業を行い、良いところや悪いところについて討論するというものです。
なぜだか自分は普通二ヶ月かかる講師養成期間を二週間程度で走り抜けたため、マトモに模擬授業をやったのは二回しかなかったのですが、二つ返事で了承しました。
その後輩は最近入ったばかりで、今のところ個別指導を専門にやっています。
でもそろそろ集団授業にも入らなければならないため、指導してほしいとのことでした。

一仕事終えた塾長を交えて、教室にて行います。
まずは授業を見て欲しいと言って来た講師の授業をみんなで受けてみましたが、それは中学2年生が対象の授業なのに、なんだか大学の授業のように感じました。
先輩や上司ばっかりだから緊張のためというのもありますが、使う言葉が我々の目線だったし、内容的にもきっと何言ってるか解らないだろうなあというもの。
喋り方もNHKのアナウンサーみたいに固いし、身体が黒板に向きっぱなしだし、発問の仕方もよくない。まあ、初めてだから当然です。
先にゆう先生からダメ出しを、と塾長に言われたので、生徒に当てるときは目だけじゃなくて身体全体でそいつを指さないとだめだ、とか、みんなの前で発表するのは緊張するんだから、答えたら褒めなきゃいけないよ、とか、身近な具体例をあげながら説明しろ、とか、ここの部分はオレだったらこう教えるよ、などと幾つかアドバイス。
その後、塾長のお言葉をお願いします、と自分が言ったら
「お前の授業さっぱりわかんねえ」
という一刀両断でトドメを刺されていました(笑)

新人講師をとっ捕まえて、ああだこうだと言いまくっていたら、「じゃあ、ゆう先生の授業をぜひ見たいです」、などとその新人は言う。
オレはいいんだよ、もう一年近くやってんだから、と言い訳しようとしましたが、「ゆう先生のお手本を見て勉強しろ」と、塾長が逃げられないようなことを言うのでしぶしぶやりました。
新人さんが国語の説明文をやったので、自分も違う文章でしたが同じ所を扱いました。
重点を置いたのは、タイトルの重要性について。
これはカリキュラムにない独自理論なのですが、ゆう先生はもうやりたい放題なので説明してます。

例えばラーメン屋に行きたいとする。君達はどこを見るか。看板を見ると思う。
ラーメンって書いてあるからラーメン屋だと思う。
ラーメンって書いてあるのに寿司とカレーしかなかったら詐欺だべや。
国語の文章におけるタイトルというのは看板と同じ。
だから、ここを先に見ろ。タイトルこそ、筆者が一番言いたいことを一番短い言葉でまとめてあるんだ。
というような話です。

一通り授業を終えて、まずは新人さんに「どうだった」と訊くと
「おもしろかったッス」
という答えが返ってきました。
「で?」
と訊くと
「以上ッス!」
と彼は満面の笑みで答えました。
お前はアレか。むりやり書かされた読書感想文か。

その後、英語についても同様の手順でやりました。
英語は受動態と不定詞の3用法と動名詞。
次は塾長がお手本を見せてくれたのですが、やっぱ巧いなあと脱帽していたら
「ゆう先生、今の授業のダメだしをください」
と塾長が仰いました。
上司に向かってダメ出せってか。
新人君は例の如く「よかったッス」としか言わないので、少し考えて、受動態の説明で、例文はABC型の過去分詞を使わないと、生徒が過去形だと勘違いするからあまりよくない、と言うと「それは言えてるなあ」と大袈裟に新人君が頷く。
自分が手本を見せると「ゆう先生キャリアが違うッス」とやたら関心してました。
なんだか、よく採用試験受かったなお前と改めて思いました(笑)
だいたい、おれのあんなにボロボロだった採用試験結果を見て受験科担任にするってこと自体この塾はおかしい。
まあ、その分入社後にこうやって研究会をやってるんですけどね。
この日は夜の3時半まで研究会をやってました。朝刊読みながら夜朝兼用でメシ喰いました。

生徒たちよ、先生もがんばってるんだぞ!