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熱血青春日記(癒し系)
ゆう
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2005年05月22日(日)
一人芝居

彼女が他劇団で照明さんをやるから見に来いというので、たまには大学から出て外界の風に触れてこようかと思い、チケットを買いました。
 ていうか彼女さんがそんなことをしていたのを全く知らず、いきなりチケット持ってきて「買え」って言うから何事かと思った。うちの劇団で知らないの俺だけって一体どういうことなんだろう。何かのサプライズか。劇場に行ったら何もないんじゃないのか。いや、UFOかなんかあるんだよ。きっと奴は宇宙人で、ついに生体実験に使われるんだよ。
 そう思ってビクビクしながら迎えた当日。そこは始めていく劇場で、駐車場もへったくれもないような場所だったのでたまにゃ公共交通機関使っていくか、と思いました。
 しかし、交通機関を使うのなんか久しぶりで、その上JRなんて今までに指折り数えられるくらいしか乗ったことが無いのでなんだか要領がわからず、何をトチ狂ったのか駅前行きのバスが家の目の前から出ているのにもかかわらず、自転車でJR駅まで行くと言う暴挙に出ました。二時間かかったよ。いやほんと、大学にこもりすぎは良くないな(笑)

 列車の乗り方がイマイチよくわからずチケット売り場をうろうろして駅員さんにマークされているのをひしひしと感じながらも、なんとか目的地へ到着。開場時間の5分前であったので、近くのコンビニに寄り、そういえばこの前彼女が色々な種類の小さなチョコレートが袋の中に沢山入ったやつ(アソートって言うのか?)が食べたいと言っていたな、と思い出し、飲み物を買うついでにそれも買って、差し入れとすることにしました。彼女が一番好きだという明治の製品。俺ってつくづく偉いなと思う。
 会場に着くと、うちの劇団員のTさん(札幌が生んだ露出狂女)が、受付手伝いで着ていた先輩と談笑しているところであり、自分を見つけるや否や「クララぁー! 私早く着すぎちゃったぁ!」と全世界に主張できるほどバカでかい声を張り上げるので、他人のフリも出来ませんでした。
 まだ扉は開かないようなので、先輩と露出狂(今日は生地まんま巻いてきたんじゃねえか、みたいな薄いスカートに網タイツはいて、もう何の意味があるのかわからないくらいオープンなシャツ着てた。絶対変態だこいつ)の三人で待つことになる。先に差し入れをと思い、熨斗もなけりゃコンビニで買ってきたままで申し訳ないが、とチョコレートの袋を渡すと、誰宛か、と訊かれる。劇団の皆様へ、と言おうとすると露出狂が勝手に「愛しのKちゃんへ」と言う。次に一言メッセージと聞かれて、これも自分が言う前に「愛しているよ」と勝手に答える。やめろ、超恥ずかしい。先輩も聞いているだけで真っ赤になるから自分で書いて、と仕事放棄するので、ペンを奪おうとする露出狂を倒した後、ちゃんと普通に書きました。

 芝居は朗読劇というか、一人芝居。なので自分が知っているような舞台ではなく、なんだか新鮮な感じでした。うちの劇団と違って手作りって感じが前面に伝わってきて、逆に好感度が高かったなあ。何か知らないけど上演中3回役者さんに絡まれました。目が合うと近づいてくるの。やべ、オレかよ! って心の中で叫んでました。露出狂がどうしてあんたってそうなの、と爆笑していたのだが、それは僕が神様に訊きたい。だめなんだよ、人が多いところに来るのに覚悟と勇気が必要なくらいなんだから、パーソナルスペースに踏み込まれると恐怖感があるんだよ。いや、でもおもしろかった。

 芝居が終わると役者さんが普通のおばちゃん(失礼)に戻るので、色々とお話を伺いました。彼女さんも舞台に降りてきて照明の話など舞台裏を訊く。自分はてっきり演出効果かと思っていたのですが、帳の後ろからうっすらと光が漏れていて、それが今回気に入らない点だったと彼女が言うので、実際どんな感じだったのかと帳をめくると、ダンボールで汚く暗転処理されてました。劇団員に見ないで、と絶叫されました(笑)その後も、舞台裏がどうなっているのかと気になって、見るなという劇団員の追跡をかわしつつ見て周り、満足した後でお礼と座布団だけ撤収して帰りました。なんて客だ。