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熱血青春日記(癒し系)
ゆう
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2005年11月02日(水)
緊急シンポジウム

 寂しさに負けた。いいえ、世間に負けた。
 今までずうーーっと我慢してきた煙草。ついにまた喫煙習慣が始まってしまった。
 元々ほんの少しだけ喫煙する習慣があったのが、例によって体調を崩してうんうん唸っていると彼女が目ざとく煙草を見つけて取り上げてしまいました。以来もう煙草は吸わないと心に誓っていたんですが、ここ最近はお互いに忙しい=彼女の監視の目がないからもうやりたい放題なわけで、ストレスも溜まってるし、ついに友達と駄弁ってて煙草を勧められると、「いいねぇ」と受け取ってしまったのだった。
 一日一本、いや、一週間に一本にするぞ。うん。
 ここ最近愛煙家の立場がないとそこかしこで言われておるのですが、医大ともなるとここは医療機関なわけで、もちろん煙草なんざ全館全面禁煙。だから煙草を吸いに行くときにはわざわざ中庭の喫煙所まで行って吸わなきゃいかんのです。夏ならばポカポカ気持ちのいい太陽の下でのんびり吸えるんですが、今時期は寒くて仕方がない。雪が降ったら禁煙だな(笑)
 煙草を吸っていると、年上だけど同学年の友だちでIという男がやってきて、
「ゆうくん、煙草はやめたほうがいいって。ヘビースモーカーの俺が言うんだから間違いないって」
 と諭してくれる。そうだよなあ。でもなんか最近ストレスとか疲れとか溜まっててさあ、と言うと、いや、俺も吸い始めたときはそうだった、と彼の壮絶な人生をしみじみと語る。この世界はいろいろな人間がいろいろな人生を送っているのだ。
なんかゆう君は色んなことつい話せちゃうわ、と言われる。そんなオーラあるのかな。

 さて、昨日のF強制わいせつ事件を煙草吸いながら学会に報告いたしました。やつはヤバいとは思っていたが、まさかそれほどまでとは。これはCBTですか? いや、暴露法ですな。いやいや、もう逆森田療法も効果的かもしれません、とにかくアセスメントを実施して、症例一号として論文にまとめましょう。次回の認知行動療法学会で発表ですな。卒業論文はこれで行きましょう。そんな話を青空の下でしていると、Fからメールが来る。今、問題の女好きに絡まれてると。緊急対策チーム出動です。

 図書室にいるというので行ってみると、Fが自分の彼女さんのほっぺをもみくしゃにして遊んでました。おまいは一体何をやっとるのかと問えば、愛のスキンシップとなぞのことを言う。ちらりと隣に視線をやればすぐ隣に問題の彼が。なるほど、彼女と戯れているフリ(いや、フリじゃないか)して回避しているのだな。彼は何食わぬ顔をしてユング派の本なんぞ読んでいる。いや、お前が読むべきなのはフロイトだろうと思う。
 小声でやばいから逃げたほうがいいぞ、とかなんとかアドバイスしていると、状況がわかっていない彼女がFの指をはんで遊んでいる。ねえ、あんたの彼女が指にキスする、というので、腹減ってるんじゃないか? 誰かニンジン持ってませんか? とボケると
「チョコがいいです」
 と真面目に言われる。天然ボケってすごいな。そして
「うらやましい?」
 とかなんとか言ってくるので、こいついっぺんしばいたろか、と思うのだが、さっきまでタバコスパスパ吸ってた訳で、近づいたら匂いでばれるかもしらん、と思って遠巻きからこのやろうと思ってました。
 とにかくFを図書室から逃げさせ、彼女の首を本に向けさせ、脱出。
 学校にいるときはそれでもう追ってこなかったのだが、授業が終わって、バイトの時間まで講義室でぐったりしている(この時熱が37.2度あった)と、Fからメールがまたもや来る。学校の外で待ち伏せしていたらしく、一緒に帰ろうと言われたんだけど、私は自転車だから逃げましたと。でも、やつは車で追ってきて交差点で追いつかれ、自転車後ろに積んで、家まで送ってあげるから、などと言う。振り切るに振り切れなくて、家までなら近いしと思って乗り込んだのだが、その道中で

「Fちゃんはいっつもゆう君とばかり喋ってて俺はさびしいよ。ゆう君と俺、どっちが好きなの?」

と言ったそうな。とりあえずなんでその二択なのか、Fにはちゃんと彼氏いるぞ、俺もいるぞ、と思うのだが、彼の世界ではFが自分を好いているらしい。そして自分がFを冷たくあしらっているらしい。確かに、一時期は自分が男軍団といないときはたいていFといるから付き合っているんじゃないかと思われてたことがあったけど、すぐに誤解は解けたんだけどな。Fは僕といるんじゃなくて、彼女といるから、結局のところ彼女とセットでいる自分と一緒にいるように見えるのだ。彼はそんな男子間の情報が共有できてないくらい嫌われてるのかなあと思う。
 何かあったらすぐに電話なりメールなりしなよ、ただし6時半からバイトで連絡が取りにくくなるからそれまでに逃げるんだ、とアドバイス。今日は厚着だし、脱がされにくい服だから大丈夫、と返事がくる。いや、脱がされなかったらなんでもいいんかい。

 バイトまで結局連絡がなかったから、大丈夫なのかなあと思いつつ出勤。人の心配ばかりしていたら自分の体調不良をすっかり忘れていたわけで、教壇に立つなりぐらぐらめまいがする。なんとか100分の授業を終え、職員室で書類を片付け、報告を済ませ、出勤簿を入力し、今日ははやめに仕事切り上げて帰ろうと思っていたのですが、教室長に「帰ります」と言いに行ったら、「そういえば車どうなったの」と訊かれる。新車買いましたよ、モコっすよ、と言うとそこから話が大いに盛り上がり、気づけば日付が変わる大惨事(バカ)。
 やっとの思いで家に帰ってきて、アセトアミノフェンを胃に突っ込んでケータイを開くと、Fからメールがきてました。「手をつなごうって言われた以外は実害なかった」とのこと。次なんかされたら訴えてもいいんじゃないかなあ。