詩のような 世界

目次


2002年01月27日(日) 迷い道



空高くそびえ立つ木々が

僕と君を歓迎している

深い森に迷い込んだ僕らは

はしゃぎながら小道を歩いた



君が下手なリズムを取って

音痴な僕がそれに合わせて歌う

2人の足音はタカタカと

きっと森中に響いていたね



そのうち闇が訪れて

辺りは静寂に包まれた

僕らは手をつなぎ走り出した

行き先もわからずに

さっきまで優しかった森の緑たちは

表情を変えて僕らを睨んでいる



君は握る手に力をこめ

僕は震える声で繰り返し言った

大丈夫だよ

もうすぐだよ



星が瞬く夜空からホワイトタイガーが現れた

僕の腕を食い破って去った

君は叫び大粒の涙を流す

僕は途切れ途切れ囁いた

大丈夫だよ



僕の腕を伝う真っ赤な血を

君は小さな舌で受け止める

泣きながら絡め取る

痛みなんか感じなくなった



朝の光が眩しく森に射しこむと

空の青の中でちぎれ雲が横一列に並んでた

ゆっくりと流れながら僕らを導いている

出口はもうすぐそこだ

















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