詩のような 世界
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空高くそびえ立つ木々が
僕と君を歓迎している
深い森に迷い込んだ僕らは
はしゃぎながら小道を歩いた
君が下手なリズムを取って
音痴な僕がそれに合わせて歌う
2人の足音はタカタカと
きっと森中に響いていたね
そのうち闇が訪れて
辺りは静寂に包まれた
僕らは手をつなぎ走り出した
行き先もわからずに
さっきまで優しかった森の緑たちは
表情を変えて僕らを睨んでいる
君は握る手に力をこめ
僕は震える声で繰り返し言った
大丈夫だよ
もうすぐだよ
星が瞬く夜空からホワイトタイガーが現れた
僕の腕を食い破って去った
君は叫び大粒の涙を流す
僕は途切れ途切れ囁いた
大丈夫だよ
僕の腕を伝う真っ赤な血を
君は小さな舌で受け止める
泣きながら絡め取る
痛みなんか感じなくなった
朝の光が眩しく森に射しこむと
空の青の中でちぎれ雲が横一列に並んでた
ゆっくりと流れながら僕らを導いている
出口はもうすぐそこだ
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