詩のような 世界
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紙飛行機を作った
白い画用紙で作った
羽には赤いマジックで
十字架を描いた
ビルの99階から飛ばすと
飛行機は風に乗りながら
確実に落下していった
僕はこの世に生み落とされて
地上の空気を吸ったけど
どうしてだろう
いつも空に憧れていた
鳥を見るたび
僕の姿をそれに重ねては
天を埋め尽くす白い星へと
ぐんぐん近づいていく感覚を覚えた
アスファルトに裸足で立つと
足がぞっとするほど冷えていくんだ
そして息ができなくなって
最後はこのビルのこの階を目指す
真っ赤な十字架を背負った
僕の化身を抱いて…
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