詩のような 世界
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細い腕で 僕の身体 抱きしめると すり抜けた
透明だった 空気
ああそうか 風だ 僕は風 暖かい南風でも 嵐の中吹き荒れる強風でも ない 微風 ただ流れているだけの
誰も僕を見ていない でも僕は視線を感じる 誰の視線? ニンゲン? ドウブツ?
ただの電柱かも それもピンクチラシつきのさ
感じてほしいとも 感じなくなった
僕の温度 きっと15℃ぐらいだ 中途半端
息を殺していれば いつか幸せになれる そう言って お願いだから
アイシテル スキ タイセツ イトシイ
何それ
僕には関係のない響きたちよ 世の中に溢れているの? くくく 笑っていいですか
流れて 流れて 砂埃を巻き上げることもできずに 目的地を探すこともせずに 風は 空気に取り込まれ 一体化
何も 考えない 疲れる から
そのうち 見えなくなっても 無くなっても
風の ように
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