詩のような 世界
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生きてるのか死んでるのかはっきりしろ!
と大声で罵られたので 3時間20分強考えて
生きてます
と蚊の鳴くような声で反発した ら
この能なし!
ときた 半笑いにもならない顔で
じゃあ死んでます
と言い返すと
ふざけんな!
と座椅子が飛んできて 僕も一緒に飛んでった
座椅子と僕は海を渡る 青く透き通った水に気を静められ 僕は座椅子の背中に手のひらを ぴた と、つけた
珊瑚の森を優雅にさまよう 赤青黄色、つまり虹色の深海魚たち
座椅子は 艶のある声で僕に何か囁いた けれどよく聞き取れなかった
ためしに海草に巻かれていた小魚に 生きてるのか死んでるのか教えて、 と叫んでみると 小魚は粋な笑顔でやれやれ、と呟いた やれやれ
その瞬間 座椅子がケラケラと腹を抱えて笑い出し 僕も何がなんだかわからなくなって まるでさじでも投げたかのように 涙が流れるまで笑った
いつの間にか、岸に着いていた
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