詩のような 世界

目次


2003年11月07日(金) 手紙


夜になる直前

人を寄せ付けない一本道

枯草は香ばしく揺らめく

細かな光が空気から欠け落ち

それが再び舞い上がる


冷え切った喉

手紙を読みたいのに

言葉が思い浮かばない

脹ら脛にぽつぽつと鳥肌

ひゅるる、と流動物を吸い込む



幼い匂いのする歌が

ごみ捨て場の赤い自転車から

風のない住宅街へ飛んだ

ふんわりした笑みを誘い

闇さえも油断してしまったほどだ


冴え渡る月の色

雪の便りが届くまで後わずか

あなた、あ、

声が漏れた

元気でいますか、



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