僕の周りから音が消えると必死に耳を澄ますのだけど君の近くにいた頃空間振動感覚すべてがいとおしかった甘いざわめきくすぶる心は邪魔なだけでただ走ることで温度を確かめられた今は散歩をしていても本を読んでいても君の面影に俯くこともなくなり静けさのみが残されたようだ僕の前後左右に在り続けた空洞はさすがにもう消えた(見えなくなった)目を凝らすことはせず時間が経つ様を僕はぼんやり眺めている