詩のような 世界
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3年間放置したままの香水 鼻を近づけたら
まだ、甘かった
とっくに匂いは変わっているはずなのに 買った当時との違いがわからない
ね、僕、こんなものだ
新しい香り なんとなく欲しいと思えないんだ
親しんだわけでも、ないのに
酸化した液体を流しに捨てるべきだ トイレではだめだよ
しばらくの間、キッチンは懐かしい場所になるだろう
僕は頭を麻痺させながら ギターの練習でもするよ
かつて、誰かが、弾いていたように
窓を全開にすると 初めて出会う春の風が吹き込んだ
まだ知らぬ、穏やかな幕開き
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